青森山田MF10芝田玲(写真=森田将義)
県1部リーグの遠野にとって、全国基準を知れたのは収穫で佐藤監督はこう口にする。「勢いよく強度の高いゲームをしてくださるチームに対して、どれだけできるかと本人たちにも話していた。一瞬の隙を与えてしまうとやられてしまうし、五分の競り合いの所で負けてしまう部分が多々あった。セットプレーの力強さも含めて勉強になった」
3位となった学法石川(福島2位)、聖光学院(福島1位)にとっても、実りのある大会になったのは間違いない。準決勝で遠野にPK戦で破れた学法石川は、稲田正信監督が「こういう試合がやっぱり弱さですね。こういう試合を1個勝ち切って、もう1個経験したかった」と悔しさを滲ませたが、高さと速さを備えたFW10金子晴琉(2年)とFW9星野蓮(2年)の2トップがインパクトのあるプレーを披露。主力の半数以上を占める1年生も、貴重な経験を積んだ。
聖光学院もエースのFW9渡邉陽路(2年)、司令塔のMF10小川大翔(2年)、左SBのDF3遠藤圭悟(2年)が特徴を存分に発揮。山田喜行監督は「今年は2トップだけでなく、CBなどもフィジカル能力がある。ある程度は青森山田といえども、きちんと戦える力はあった。予想以上にやれている部分はあった」と口にした。
「経験が成長でないとよく言うのですが、この経験はこれから絶対彼らが力に変えていく教材になると思う。絶対、忘れちゃいけない」。大会後に聖光学院の山田監督が口にした言葉は、どのチームに当てはまる物だ。参加した16チームが経験した高い基準を上手く活かせるかが、これから本格化する2023年の鍵となる。
(文・写真=森田将義)
▽第22回東北高等学校新人サッカー選手権大会
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