2年ぶり9回目の優勝を果たした青森山田(写真=森田将義)

 1月28日から30日にかけて、福島県のJヴィレッジで開催された第22回東北高校新人サッカー選手権大会は、青森山田(青森1位)の2年ぶり9回目の優勝で幕を閉じた。

 MF松木玖生(FC東京)らを擁した2021年の代に続くプレミアリーグ、インターハイ、選手権の3冠を目指すチームにとっては幸先の良いスタート。シーズンが本格化する4月に向けてのベース作りを進めるのが今大会のテーマ。青森山田らしいシュートを1本も打たせない守備と共に、昨年の課題となった得点力アップの改善を意識して、大会に挑んだ。

 結果的に奪ったゴールは4試合で23得点。守備は準決勝で1失点を許し、正木昌宣監督が「守備の方が計算できていたはずだったけど、攻撃の方が良い部分が出ていた感じがした」と苦笑いする形となったが、青森山田らしいセットプレーからの得点に加え、MF10芝田玲(2年)を中心とした連携による崩しが数多く見られたのは収穫。「レギュラーでなかった子が東北新人で活躍し、シンデレラボーイが生まれている」(正木監督)中で、ドリブラーのMF14杉本英誉(2年)が右サイドで大暴れしたのも大きかった。

 何より大きかったのは、この時期から真剣勝負を経験出来た経験だ。昨年は新型コロナの影響で活動に制限がかかり、大会を辞退せざるを得なかった。雪の影響もあり、活動が本格化したのは3月から。「東北大会もなかったのでチャレンジする機会がなく、すぐシーズンインという中で負けないサッカー、勝つサッカーを重視していた。今年はより崩すというか、確実性のある形にしたいと自分は思っている」と芝田が口にする通り、青森山田らしく勝利に拘りながら、目指すスタイルをこの時期から徹底できた経験は、この先に繋がっていくのは間違いない。

 準優勝の遠野(岩手2位)は、チーム史上最高成績をマーク。「うちの選手はクラブチームの子がほとんどいなくて、中体連の子ばかり。中学校の時に東北大会に出場した経験があまりない選手が多い」(佐藤邦祥監督)チームだが、今年は主将のDF4畠山哉人(2年)、MF10昆野翔太(2年)など昨年から主力を務める選手が多く、2回戦で優勝候補の尚志(福島3位)を撃破するなど、インパクト十分な戦いを見せた。決勝は青森山田に0‐3で敗れたが、チャンスも作れていた。

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▽第22回東北高等学校新人サッカー選手権大会
第22回東北高等学校新人サッカー選手権大会