関東一の優勝で幕を閉じた平成27年度関東高校サッカー東京都大会。長きに渡った熱戦を振り返る。

■優勝を支えた2つの勝因
 実践学園國學院久我山らをなぎ倒し、終わってみれば全5試合20得点1失点。圧倒的な数字を誇って優勝した関東一は4年ぶりに東京王者に返り咲き、本大会出場権を獲得した。そんな関東一の優勝を支えた勝因として以下2つを挙げたい。 1つ目は中盤の強度。優秀なダブルボランチの働きが目立った昨チーム以上に、今季の関東一を中核として担う4人のMFは攻守に大車輪の活躍を見せた。右のMF鈴木隼平、左のMF高橋快斗が豊富な運動量で上下運動を繰り返せば、MF浦川眞世、MF道願翼の2人は必ずと言っていいほどボールサイドに顔を出し攻撃に幅とリズムを加える。新たにダブルボランチを形成する2人を中心に、どの試合をとっても決して中盤の主導権を譲ることはなかった。彼ら4人が中央にどっしりと構えることでFW岡崎仁太朗、FW冨山大輔の2人に多くの得点チャンスが生まれ、大会通じての大量ゴールに結びついたと言えるだろう。

 2つ目は安定感を見せた守備力。派手な攻撃力に隠れがちではあるが守備面での奮闘は大きな勝因となった。決勝で大会初失点を喫したものの5試合を通して1失点は立派な数字。前述の中盤を軸に4人の最終ラインも堅固なブロックを形成した。前線から連動したプレスをかけることで相手の攻撃コースを確実に限定、万が一崩されたとしても最後のところで身体を張るなど基本的ではありながら容易ではないことを試合を通して継続した。決勝の國學院久我山戦では1点リードの後半、連戦に加え前半から飛ばした影響もあり、疲労の色が覗えたが、チーム全員が徹底したプレスが功を奏す形でリードを守り切った。

 東京を勝ち抜いた関東一はこのあと本大会に挑む。東京開催という点は彼らの勝利を後押しするだろう。是非とも昨年の都立駒場に続く優勝を果たし、2年連続で優勝旗を東京に持ち帰ってくることを期待したい。

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