■Aブロック：3冠目指す関東一ら有力校が順当勝ち
　優勝候補を含む実力校に、躍進を狙う中堅校が挑む構図となった各試合。蓋を開けてみると、戦前の優位が予想されていた各校が順当に勝利を収める結果となった。

　今季3冠を目標に選手権初陣を迎えた関東一は、1次予選から堅守を武器に勝利を重ねた創価と対戦。序盤から圧倒的なポゼッションとシュートチャンス演出で試合を優位に進めながらも、創価の粘りに苦戦を強いられる展開となったが、MF高橋快斗の2ゴールなどで終わってみれば3対0の勝利。総体時と比較すると、決定力の低下や連動性の欠如と課題を列挙すればそれまでだが、優勝へ向けた彼らの戦いは始まったばかり。創価守備陣の奮闘も加わり、王者と言えど難しい試合となった大会初戦を勝ち切ったことは一安心といったところだろう。Aブロック優勝候補大本命の位置づけは、初戦を見る限り揺らぐことはなさそうだ。

　関東一と共にシードを得て登場した都立東久留米総合、東京実業、駒澤大学高等学校の3チームも、番狂わせを狙った各チームの挑戦を退けた。都立東久留米総合、駒澤大学高等学校は共に、前半のうちに試合を決める快勝で8強入り。王座奪還へ向け、幸先よい船出をきることに成功したのではないか。また、東京実業は都立小松川に2対0で勝利。期待のエースFW栗田マークが2ゴール、さらに守備陣はDF境亘平らを中心にクリーンシート達成と、攻守に収穫を得る形で2回戦突破を決めた。

　続いて前回大会準優勝の堀越、同4強の保善は西が丘で期すリベンジに向け一歩前進。堀越は日大豊山に4対2で勝利。2ゴールを挙げる活躍でチームの勝利に貢献しながらも負傷交代を強いられたFW鈴木龍河の怪我の状況は気になるところだが、FW新井真汰やMF小磯雄大ら攻撃陣の好調維持は次戦の関東一戦でも鍵を握りそう。また、保善は高輪を相手に、今大会5試合目にして初失点を喫するも2対1で競り勝ち3回戦へ。

　その他、都立駒場、多摩大目黒も準々決勝進出に名乗り。都立駒場は、1回戦東農大一戦に続く2戦連続完封勝利で明大八王子に引導を渡すと昨季に続く準々決勝進出。リーグ戦での不調が心配された多摩大目黒も学習院に快勝し西が丘進出まであと一歩に迫った。