写真：関東一撃破で2年連続西が丘へ。堀越の快進撃は続く。

■Aブロック：最大の衝撃は関東一の敗退！
　話題をさらったのはやはり関東一の敗戦か。2015年シーズンここまで積み上げてきた実績を考えると、当然優勝候補筆頭に位置づけられながら臨むこととなった関東一の今大会、ラウンド8で優勝の夢を絶たれる結果となった。

　FW鈴木隼平のゴールで幸先よく先制するまではよかったものの、その後はゴールが遠いこの日の関東一。鈴木に加え、FW岡崎仁太朗、MF大里将也が並んだ3トップを軸に、初戦同様の圧倒的ボールポゼッションも堀越の堅固なブロック、そして決定力不足に泣かされた。それにしても王者撃破を果たした堀越は見事。ビックセーブを連発したGK横山洋、決勝点のDF東岡信幸らDF陣の粘り強さが光り、さらには同点ゴールを叩き出した齊藤一輝らが繰り出したカウンターは切れ味抜群。まさに“堅守速攻”を最大の強敵相手に体現し、2年連続の西が丘進出を掴み取った。

　前評判を覆す試合はこの日もう一つ。T2リーグ首位快走、T1昇格をほぼ手中に収める東京実業と、今季から参戦中のT1リーグで開幕から泥沼の連敗が続く多摩大目黒。今季対照的なリーグ戦を過ごしてきた両チームの対峙は多摩大目黒に軍配が上がった。多摩大目黒決勝点はワントップを張るFW加藤天馬の一発。その後は東京実業自慢の強力攻撃陣が繰り出す猛攻をGK大野隆滉らを中心にシャットアウトし勝利を収めた。一発勝負のトーナメントで強さを発揮する今大会の多摩大目黒、このまま一気に頂点まで駆け上がることはできるのだろうか。

　昨季共に西が丘のピッチを経験した都立東久留米総合と保善の一戦は都立東久留米総合が2対0で勝利。ポゼッションを高め、巧みなパスワークを仕掛けた保善に対して、ロングボールを多用し前への推進力を強化する都立東久留米総合という構図で時計の針が進んだ試合、勝敗を分けたポイントは守備力にあった印象。CBを中心にバイタルエリアのケアを徹底した都立東久留米総合が公式戦3試合ぶりの完封勝利で2年連続の西が丘進出を決めた。

　最後に、王座奪還を目標に掲げる駒澤大学高等学校は5年ぶり優勝へ前進。MF野本克啓、MF深見侑生らのゴールで終わってみれば5対0の完勝。都立駒場を相手に、昨季タイトルホルダー対決として注目を集めた試合、攻守に確かな手応えを掴んで2年ぶりの西が丘へと駒を進めることに成功した。今大会ここまで2試合で9ゴール、直近のリーグ戦でも結果を残す攻撃陣の好調は、今後を見据えるうえで頼もしい限りだ。