先日閉幕した第94回全国高校サッカー選手権東京都大会。約2ヶ月に及んだ2次予選、東京代表の座を懸けた激闘を振り返る。
写真:決勝戦後表彰式より
■Aブロック:“有力対抗馬”駒澤大学高等学校が見せた快進撃
関東大会、総体予選、さらにはT1リーグを制して東京のタイトルをまさに総なめ。全国総体では4強入りを果たした関東一が頭一つ抜け出しているとの見方が強かったAブロックであったが、蓋を開けてみれば駒澤大学高等学校が頂点を極める結果で幕を閉じた。
並み居る強敵を退け5年ぶりの優勝を飾った駒澤大学高等学校。4試合を戦い12得点1失点の成績を残した中で、着目すべきは準々決勝以降3試合連続完封勝利を収めた守備力。もともとハードワークを基盤とした伝統的な堅守は定評のあるチームであったが、今季はシーズン序盤からメンバーの固定に労力を要し、結果を出せず。それでも「夏場から少しずつ成長、進化を遂げてきた。」と大野祥司監督が話すように、自慢の守備を中心に鍛え上げ優勝に結びつけた。
また、決勝戦スタメンを見ると11人中7人が1、2年生で構成されていることも特筆に値する。CBでコンビを組むDF佐藤瑶大(2年)、DF西田直也(1年)をはじめ最終ラインを中心に1、2年生が名を連ね今大会活躍。加えて、それら後輩を前線から束ね牽引したFW深見侑生主将やFW野本克啓ら3年生の功労も称えるべきだろう。
先日行われた抽選会の結果、駒澤大学高等学校は阪南大高(大阪)との開幕戦に登場することが決定。振り返れば初出場を果たした2010年大会でも開幕戦を戦い、大津(熊本)を下して16強進出に繋げた。2度目の全国挑戦となる今大会、5年前同様の快進撃に期待が集まる。
また、上述の関東一を準々決勝で破った堀越は2年連続の準優勝。昨季に脚光を浴びたボトムアップ理論を今季はDF富樫草太を中心に継続。リーグ戦や総体予選等では苦戦を強いられたものの、集大成での躍進は今季の努力が実を結んだ結果。またもやあと一歩のところで届かなかった全国出場の夢は来季に託される。