写真:駒澤大学高等学校イレブン(都大会より)

 第94回全国高校サッカー選手権大会は5日に行われた準々決勝を経て4強が決定。いよいよ佳境を迎える今大会、これまでの熱戦模様を振り返る。

■オープニングゲームは駒澤大学高等学校に軍配!東京勢躍進の口火を切る!

 大観衆が見守る中開催された注目の開幕戦ではホームの声援を背に、駒澤大学高等学校が勝利を飾った。満を持して挑んだ5年ぶり2度目の全国舞台、かたや初出場の阪南大高(大阪)を相手に主将・FW深見侑生、FW竹上有祥とチームを支える2人の3年生がゴールを挙げて引導を渡した。

 駒澤大学高等学校の開幕戦勝利は今大会における東京勢躍進の口火を切る。駒澤大学高等学校はその後、尚志(福島)、松山工(愛媛)と難敵を連破。同じく勝ち星を重ねた國學院久我山とともに勝ち上がり、東京都代表校2チームの同時8強入りは大会史上初の快挙となった。

■大会を去った名門、名選手たち

 勝者の陰には当然敗者がいる。今夏総体準優勝校、通算6度目の日本一を目指した市立船橋(千葉)は3回戦で散った。相手は総体決勝の舞台で対峙した東福岡(福岡)。奇しくも今夏総体決勝と同カード、なおかつ同じくPK戦の末あと一歩及ばず。共にプロ入りが決定しているMF椎橋慧也やFW永藤歩、さらにはMF工藤友暉ら好選手を並べたが王座奪還の壁は厚かった。

 優勝候補といえば大津(熊本)もまた早すぎる敗退を強いられた。前回大会準優勝・前橋育英(群馬)との初戦、2対2で迎えた後半アディショナルタイムに決勝点を許す痛恨の黒星。エースFW一美和成らのゴールで2度のビハインドを追いつく粘りを見せるも最後は力尽き、3大会連続の初戦敗退。また、今大会得点王有力候補に挙げられたFW小川航基(桐光学園)には悲劇が襲い掛かる。青森山田との対戦した3回戦、2点リードで迎えた後半のPK、そして勝負が委ねられたPK戦と、2本のキックを失敗して涙。それでも2試合連続の2ゴールを挙げるなど世代屈指の点取り屋は間違いなく結果を残した。必ずや今回の悲劇を乗り越え、日本を代表するストライカーへと成長してくれることだろう。

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