青森山田イレブン(写真=矢島公彦)

 連覇に向け、絶対王者が順調に勝利を積み重ねている。

 

 1月11日に準決勝を迎える高校サッカー選手権。青森山田は最難関のブロックに組み込まれたが、圧倒的な強さで勝ち上がってきた。初戦となった2回戦では、大分入団内定の高橋祐翔を擁する米子北を6−0で撃破。武田英寿(3年/浦和入団内定)の2得点を決めるなど、幸先の良いスタートを切った。続く3回戦の相手は富山一。序盤から攻め立てると、期待の1年生MF松木玖生が2ゴール。夏のインターハイで準優勝を収めた強豪校を寄せ付けず、4-1で勝利を掴んだ。そして、迎えた準々決勝。初の8強入りを果たした昌平に対し、前半だけで3ゴールを奪う。後半に2失点を喫したものの、逃げ切って準決勝へと駒を進めた。

 3試合で13得点・3失点。強豪校を向こうに回しながら、下馬評通りの結果を残してきたのは流石だ。思い返せば、大会前はコンディション面で不安を抱えていた。12月15日にU-18高円宮杯プレミアリーグ・ファイナル(対名古屋U-18・4-2で勝利)を戦った影響もあり、疲労が蓄積。試合後は青森で調整を続けたが、選手たちの状態が上がってこなかった。それでも、大会直前から関東圏で調整し、レギュラー組の選手たちは徐々に調子を取り戻していく。同時にこれまで抱えていた細かい守備の見直しに着手。大会前に黒田剛監督が「やるべきことをやっていない。チームの決め事があるんだから、それをやらないとダメ」と話していた通り、球際の強さやゴール前で身体を張ることを再度チームに落とし込んだ。

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▽第98回全国高校サッカー選手権
第98回全国高校サッカー選手権