FW髙瀬太聖(今治東/3年)写真=森田将義
FW髙瀬太聖(今治東/3年)
「ボールが目の前に入ってからの速さは誰にも負ける気がしない」。そう胸を張る通り、他を凌駕する初速が持ち味で、相手DFの背後をいとも簡単に抜け出し、ゴール前に顔を出す。浮き球のコントロールも上手く、モードに入ればきっちりとシュートで終われるのも特徴で、生粋のストライカーとの表現がよく似合う選手だ。
ゴール前への飛び出しは西日本でも上位に入る上手さで、一年目の夏以降はAチームでスタメンを張る機会が増えたが、ゴールへの積極性が足りず、物足りなさを感じたのも事実。だが、「あの経験があったから今がある」と振り返る昨年のインターハイ予選に転機が訪れた。決勝まで進みながらも、新田高に1-0で敗戦。高瀬は緊張で足が震え、思い通りのプレーができなかったという。自身がチャンスをきっちり決めていれば、また違った結果になっていかもしれない。リベンジを誓った夏以降は、「FWはシュートを打ってナンボなんで、ドンドン打って行こうと意識している」と得点意欲が増し、より相手にとって怖い選手へと成長を遂げた。
迎えた選手権予選では、ゴール前での落ち着きも増し、初戦から3試合連続ゴールをマーク。県の得点王となり、チーム初の選手権出場に貢献した。全国でも、山形中央高から2ゴールを奪い、知名度を上げた。最高学年を迎えた今年も勢いは止まらず、2月に行われた県の新人大会では自身の決勝点によって、タイトルをもたらした。彼がより多くの歓喜を呼び込むことができれば、昨年の選手権で刻んだ16強以上の成績も見えてくるだろう。