MFオタボー・ケネス(高知中央/3年)写真=森田将義

MFオタボー・ケネス(高知中央/3年)
 昨年は、プレミアリーグの下部組織に所属する選手たちに交じり、U-17ナイジェリア代表候補に選ばれたことからも実力は明らかだ。テクニックの高さが光るボランチで、手足の長さを活かしたボールキープも一級品。3列目から放つミドルシュートの精度も高く、彼のパフォーマンスが今年の高知中央の行方を左右すると言っても過言ではない。選手権のような檜舞台に立てば、大勢の目に留まるのは間違いない注目株だ。

 高校から留学生として海を渡ったのは、1歳上の友人であるFWオニエ・オゴチュクウ(現Y.S.C.C.横浜)の勧めがあったからだ。語学力が高く、すぐさま一定以上の日本語をマスターしたケネスは、すぐさまチームメイトと打ち解けた。試合に審判や相手チームが来ないことも珍しくなかったナイジェリアとは違い、日本では予定通りに試合が行われる。食事や勉強の面でも恵まれており、ケネスは「皆が優しくて、練習も楽しい。チームメイトと日本語でコミュニケーションがとれるようになって、本当に楽しい」と笑みを浮かべる。

 充実した日々によって、日本に来てから著しい成長を遂げている。「代表のキャンプを経験できたし、選手権予選は負けてしまったけど決勝まで行けた。良い思い出ができたし、楽しかった」と振り返る昨年は、ピッチで違いを見せつけたが、全国の舞台にたどり着けなかったのは数少ない後悔と言えるだろう。今年は目標であるプロ入りを掴み取るため、プリンスリーグ四国での活躍と選手権出場に照準を定める。

(文・写真=森田将義)