DF大津平嗣(学法石川/3年)写真=森田将義

DF大津平嗣(学法石川/3年)
 FW染野唯月(鹿島アントラーズ)、FW阿部要門(来季からモンテディオ山形)と2年連続でJリーガーを輩出した尚志高校の活躍が目立つ福島県だが、他にも楽しみなチームはたくさんある。筆頭は、就任13年目を迎えた稲田正信監督が率いる学法石川高校だろう。今年は県の新人戦を制し、1月に行われた東北新人大会では初の決勝進出も果たした。

スピードを活かしたFW渡辺航大(3年)や中盤でのゲームメイクが光るMF森隼真(2年)など実力者が揃う中でも、目を惹くのがDF大津平嗣(3年)だ。中学までは鹿島アントラーズの下部組織に所属したCBで、先輩で昨年度のキャプテンだったDF鴨志田紘武の背中を追い掛け、学法石川への入学を決意。ヘディングと対人の強さを買われ、早期に出場機会を得た。

 2年生ながらもチームに欠かせない選手となった昨年は満足の行くパフォーマンスも多かったが、結果としては悔しさが残る一年だった。インターハイ予選は決勝で、尚志と前線を繰り広げたが、延長戦で敗戦。雪辱を誓った選手権予選は準々決勝で姿を消した。大津は「セットプレーのセカンドボールでやられる試合が多かったので、今年は改善していきたい」と意気込みを口にする。

心身ともに逞しさを増した今年は、キャプテンとしてチームのまとめ役を担う。一体感のあるチーム作りと共に、代名詞になりつつ粘り強い守備を継続させるのが彼の仕事だ。チーム史上初の全国大会出場を果たせるかは、彼の活躍にかかっていると言っても過言ではない。

(文・写真=森田将義)