東福岡MF青木俊輔(写真=森田将義)

 どこが勝ち上がってもおかしくない本命不在なのが、Cブロックだ。最有力候補は、3度の優勝経験を持つ東福岡だ。主将のMF上田瑞季を中心にチーム一丸となって戦うのが特徴で、MF青木俊輔、岩井琢朗による伝統のサイド攻撃のキレは鋭い。前線にも、大型のFW長野星輝が鎮座する攻撃の迫力は十分だが、初戦で対戦する桐蔭学園も侮れない。FW長澤圭剛、立石宗悟の強力2トップやMF廣瀬隼斗が繰り出す攻撃は、大会を沸かせるだけの力を持つ。初戦を突破できても、2回戦で当たるのは星稜と作陽の勝者だ。両チーム共に今年は、攻撃の破壊力が持ち味で、星稜はMF廣島大雅、中村領優のダブルボランチとFW千葉大護を中心に厚みのある攻撃を繰り出す。対する作陽は後方でのボール回しから、MF奥龍太郎が攻撃のスイッチを入れ、FW大森椋平や杉本翔がゴールを狙うのが生命線。殴り合い必須な一戦を制するのは、どちらになるか見逃せない。この山のもう一つは、2回戦で当たる矢板中央徳島市立の一戦だ。両者共に粘り強い守備からのカウンターが持ち味で、前者は、GK藤井陽登やDF島﨑勝也、後者はGK藤澤芭琉、DF渡邉浩章が目を惹く。ロースコアの試合が予想されるため、矢板中央はFW多田圭佑、徳島市立はMF中田舜貴の10番対決の行方が勝敗を左右しそうだ。

神村学園MF大迫塁(写真=森田将義)

 反対側の注目は、神村学園。プロ注目のMF永吉飛翔、U-16日本代表のMF大迫塁擁する中盤を中心にテクニカルな崩しが魅力の好チームだ。前線にも得点力が高いFW福田師王がおり、守備が大崩れしなければ上位も狙える。まずは初戦で、選手宣誓役を担うMF石倉潤征を中心とした戦いで16年ぶりの出場を果たした前橋商に勝って勢いに乗れるか注目だ。その勝者と2回戦で当たるのは、DF阿部真珠とMF大河原陽の二枚看板が中心の日大山形と初出場の近江近江は予選を勝ち抜いた戦い同様、MF森雄大とDF那須日夏留を中心としたボール回しで主導権を握り、チャンスを作れるかが鍵となる。2回戦からの登場となる富山第一は、予選では怪我人が多く、思い通りのサッカーができなかったが、ここに来て主力が揃いだしたのはプラス材料。DF孝井捺希、MF福岡輝、FW吉倉昇空と縦のラインにタレントはいるため、MF杉本和真のセットプレーを活かせるかがカギになりそうだ。対する日本文理大附は、初出場とは思えぬ好チーム。予選で大暴れしたFW垣内太陽、三木誉歩斗の二枚看板を中心に攻撃力を発揮し、ジャイアントキリングを狙う。

(文・写真=森田将義)