神村学園(写真=松尾祐希)

 ただ、そこを突破してもベスト8で立ちはだかりそうなのが、神村学園だ。MF大迫塁(3年/C大阪入団内定)、FW福田師王(3年/ボルシアMG入団内定)の逸材2人を擁し、初の日本一を掴んでもおかしくない力を持つ。脇を固めるタレントも充実しており、サッカーIQが高いボランチ・笠置潤(3年)や、既にJクラブが注目をしている攻撃センス抜群の左SB吉永夢希(2年)、推進力に長けるFW西丸道人(2年)は今大会屈指のタレント。テクニカルなサッカーを伝統的に嗜好してきたが、今年は縦に速いサッカーで手数をかけない仕掛けでゴールを重ねてきた。そうしたスタイルも一発勝負のトーナメント向きで、「今季は接戦に強い」と胸を張る有村圭一郎監督の手応えも十分。12月中旬にプレミアリーグ参入プレーオフではC大阪U-18を逆転で下して初昇格を決めるなど、勢いに乗って大会に挑める。王者・青森山田であっても、簡単には勝たせてもらえないはずだ。

 その他にもインターハイでベスト4に入った米子北、198cmの大型プレーヤーでCBとFWの二刀流が話題になっている森重陽介(3年/清水入団内定)を擁する日大藤沢、12年ぶりに冬の大舞台に帰ってきた国見など、有力校がずらりと並ぶ。青森山田が連覇に向けて突き進むのか。それとも優勝候補の一つ・神村学園が勝ち上がるのか。はたまた台風の目となるチームが現れるのか。有力校が揃うAブロックの行方から目が離せない。

(文・写真=松尾祐希)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権