青森山田は野辺地西を延長戦の末に破り26年連続優勝を果たした(写真=AOMORI GOAL)

 Aブロックは前回王者・青森山田が軸となる。今季の青森山田は昨季のような圧倒的な強さを発揮できず、開幕から苦戦を強いられた。元々昨季のチームと比べ小粒。その上にキャプテン・CB多久島良紀(3年)が昨秋に負った大怪我の影響で復帰が遅れ、チームを固めていく作業は困難を極めた。メンバーが試合毎に変わり、U-18高円宮杯プレミアリーグEASTでも勝ち点を重ねられず、伝統の堅守にも綻びが見られた。インターハイも初戦となった2回戦で帝京(東京)に0-1で逆転負け。そうした状況下で選手権に向けて不安を残していたが、夏以降は粘り強い守備をベースに勝ち点を重ねた。チームの状況も上向き、選手権予選こそ決勝で苦戦を強いられたが、プレミアリーグの最終節では優勝を果たした川崎U-18に勝利。多久島もコンディションを上げており、連覇に向けて帳尻を合わせてきた。順当に行けば、最初の山場は3回戦で対戦する可能性が高い尚志との一戦。プレミアリーグの参入プレーオフを勝ち抜いて昇格を決めた尚志は春先こそ3年生を中心にまとまりを欠いていたが、秋以降に一気に調子を上げてきた。攻撃陣はFW鈴木虎太郎(3年)、守備陣はCB山田一景(3年)が核となり、安定感がアップ。下級生も力を付け、FW網代陽勇(2年)らが可能性を示して選手層も厚くなった。「フワッとしていた3年生が逞しくなった」と仲村浩二監督が明かす通り、上級生を中心に一致団結できれば青森山田と対等に渡り合う力はあるはずだ。

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