東山、PK戦の末に日体大柏を下し初の4強進出

　対する東山は前評判が高く、総合力が高い好チームだ。星稜との初戦は2-1、続く聖和学園戦は4-0の快勝。昨季のベスト4チーム・高川学園との3回戦も2-0で勝ち切って、準々決勝に駒を進めた。初の4強入りを懸けた日体大柏戦は苦戦を強いられ、スコアはスコアレスでPK勝利。厳しい戦いを制してなんとか国立にたどり着いたが、チームの勢いは確かなモノがある。

　チームの軸はC大阪入団内定のMF阪田澪哉（3年）。スピードを生かした仕掛けがウリの注目株で、攻撃のキーマンになる存在だ。周りを固めるタレントも粒揃いで、昨季から主軸を務めていた選手が多い。松橋啓太、真田蓮司（ともに3年）のダブルボランチコンビは補完性抜群で、チームの心臓を担う。左SBの仲里勇真、CB新谷陸斗、GK佐藤瑞起(いずれも3年)も昨季からレギュラーを任されており、実力に疑いの余地はない。そうしたタレントを軸にどんな戦いを見せるのか。今大会はFW豊嶋蓮央(3年)が好調を維持しているのもプラスで、初戦では2得点を挙げる大活躍。チャンスメーカーが揃うだけに、ストライカーの働きが大津戦の鍵を握る可能性は高い。

　インターハイでは過去に2度ベスト4に入っているが、全国大会の決勝は一度も経験していない。黄金世代と称されるチームが歴史を変えられるか。古都の注目校が新たな景色を見られるか注目だ。

(文＝松尾祐希)