徳島市立 河野博幸監督(写真=森田将義)

 昨年度はインターハイ、選手権共にベスト8に輝き、私学勢が全盛の中で公立の雄として存在感を見せたのが、徳島市立だ。チームを率いるのは、現役時代にインターハイ優勝を経験するOBの河野博幸監督。過去には元日本代表の塩谷司(アル・アイン/UAE)らプロサッカー選手も育てた注目の指揮官にチームが目指すサッカーや求める選手について尋ねた。

ーー目指すサッカーについて教えてください。

 その年にいる選手のタイプによって戦い方は違います。昨年は全国大会で攻め勝つだけの力がなかったので、粘り強く守ってカウンターを徹底しました。チームとして目指すスタイルを真面目に頑張れる選手が多かった結果がインターハイと選手権のベスト8に繋がったと思います。ただ、毎年のことですが、同じことを繰り返すだけでは昨年と同じかそれ以上の結果は出ないので、昨年よりも前に出ていくサッカーを目指しています。身体能力が高い選手が多いのでボールを奪ってからシンプルに前線に攻撃するだけ奪うのではなく、組み立てながら高い位置まで運ぶスタイルが理想です。そのため、センターバックにはサイズがあってある程度ボールを扱える技術、ボランチにはスペースを埋める感覚やパスを散らせるセンスを磨いて欲しい。ワイドの選手は縦を仕掛けてクロスを上げて欲しい。近年は3バックを継続しているので、年度によってスタイルとシステムは違いますが、選手に求める役割はシンプルです。

【次のページ】 年々、一芸を持った選手が増えている印象があります。