(写真=水野智也氏提供)

ーー今後の目標を教えてください。

 小さいときからスタジアムで J リーグを見て育ってきたので、J リーグの試合に携わるのが目標です。そのためには 1 級審判員になる必要があるので、そこに向けてもっと頑張らなくてはなりません。すでに昇級試験を 2回落ちてしまっているので簡単な道のりではないですが、しっかりと達成したいです。J3 の試合には数試合関わらせていただきましたが、それは J3 創設シーズンに 2 級審判員としてだったので、1 級審判員として担当し、J2、J1 と携わっていけたらと思います。そして、高校時代の2つ上の先輩に、現大宮アルディージャの菊地選手がいるのですが、当時からすごかったその先輩と、立場は違えど同じフィールドに立てたら嬉しいです。

 また、もう 1 つの切り口として、レベル問わず、少しでも長く審判を続けたいという気持ちもあります。好きで続けていることですから。そしてすごく思っていることが、真剣勝負のど真ん中にいる経験は普通に生活をしているとあまりありません。もちろん普段の仕事も真剣にやっておりますが、それとは違うものがあり刺激的で楽しいので、その意味でも長く審判を続けたいです。平日仕事で疲れた後にトレーニングをしたりして、週末に遠いところの試合を担当し、文句を言われてへこむもありますが、それを差し引いても続ける価値のある役割で、何よりも楽しいですから。 そしてぜひ伝えたいのが、正直私自身はあまりサッカーがうまくないのですが、サッカーが下手くそでも別の形で続けていれば、選手権など夢の舞台にたつことができる可能性があります。選手で大成しなかったからだめだではなく、サッカーが好きであるならば、1 つの選択肢として別の関わり方をぜひ挑戦してみてほしいです。本当に楽しいですよ。

ーー今全国には最終の公表統計(2019 年度 4 月公表)で 865 人のユース審判員が 3 級審判員として、64,218 人(同時期公表)が4級審判員として活躍しています。そんな若きレフェリーたちにメッセージをお願いします。

 選手としても一生懸命にぜひやっていただきたい!審判員としては高校を卒業した後も続けられますが、高校サッカーは今の 3 年間しかないのですから。その経験が必ずこの先の審判人生にも生きます。もし高校 3 年間選手としても頑張れたら、卒業して審判員としてこの今の舞台に戻ってきたときに、目の前の選手たちの努力が見えるようになると思いますし、全国の舞台へたどり着かなかった人達の想いを感じることもできます。今という時間を大切に!

ーー水野さんとってのサッカー審判員とは?

 サッカーを楽しむための 1 つのアプローチです。選手としてプレーすることがメジャーな楽しみ方、もちろん観る楽しみ方、他にも指導者として、大会の運営、その中の 1 つの関わり方、楽しみ方が審判員。意外とみんなが思っているより楽しいです。ぜひぜひトライしてください! 「関わり方」ではなく「続け方」のほうがいいですかね?選手としてでも OK。指導者としてでも OK。1 つの道として審判員。楽しいですよ。

(取材=神戸駿宏 写真=水野智也氏提供)

1993年4月8日生まれ。
2009 年高校1年生時に伊奈学園高校サッカー部の 1 年生として同期とともに 4 級を取得。
2012 年の大学入学後、審判一筋の進路を決め、1 年生時に 3 級、2014 年に 2 級へとステップアップをし、現在1 級への昇級を狙う。現在の主な活躍のフィールドは関東大学リーグ 1 部や関東社会人リーグ 1 部。