ーー大学を卒業して、プロサッカー選手になった畑尾選手ですが、大学を卒業してからプロサッカー選手になるというキャリアについてどうお考えでしょうか。

 僕は大学に行ってよかったなと思っています。僕個人に関していえば、高校卒業してそのままJリーガーになっていたら、今年30歳になりますが、もうすでに引退していたかもしれません。その理由は本当の意味での努力を高校時代に知らなかったからです。もっと簡潔に言えば、天狗になっていました。高校時代は確かに全国優勝したりと結果は出していましたが、今振り返るとあれは自信というよりも、過信に近いものだったんじゃないかなと思います。

 あとよく言いますが、大学はサッカー以外の人間的な成長も見込める場です。ただ、そう思う反面、やっぱり高校卒業してそのままプロサッカー選手になるのが、”サッカー選手としては”一番幸せなことかなと思います。サッカー選手だけを考えればですけど。高校を卒業して、長い間、プロサッカー選手として生活できるので、10年・15年とプレーできるのは限られた選手だと思います。そういう選手へのリスペクトみたいなものはありますね。サッカーで突き抜けれる選手はそのままサッカー選手になるべきかなと思います。

ーー高校年代のプレーヤーにメッセージをお願いします。

 育成年代、中学生・高校生は持久的なトレーニング(筋トレとかランニング)とかなかなか前向きになれないトレーニングが多いけど、まず第一にプロサッカー選手を目指すのであればそれは必要なことです。育成年代はその瞬間だからこそ、努力の結果が現れやすい時期だと思うので、前向きに取り組めないトレーニングでも自分でモチベーションが上がる方法を検討してほしいです。

 そして、何よりサッカーを楽しむことを忘れないでほしい。うまくいかないと楽しくもなくなって、そうすると消極的なプレーが増えていくっていう負のスパイラルに入ってしまうと思うので。そういう時こそサッカーを楽しむことを忘れず、前向きにサッカーに取り組んでほしいです。

(取材=編集部 写真=大宮アルディージャ)