山本奨

 先月、日本代表の浅野拓磨選手のセルビア1部リーグへの移籍が発表された。その影に隠れる形で、名も無き1人のサムライも同じ舞台へ闘いの場を移した。

彼の名は、山本奨。古豪・武南(埼玉)で3年次には10番を背負い、卒業後にまず向かった先はスペイン。「ここでの経験はとても大きかったです。1シーズン5部リーグのラティーナというクラブに所属していましたが、ここでサッカーの本質を学ぶことができたと思っています。日本では何も考えてやってなかったなと。ポジショニング、判断、球際、止めて蹴るの基礎スキル、、本当に多くを学びました」

このスペインでの経験が彼をさらなる場へと導く。1シーズン31試合出場8得点の活躍が認められ、東欧モンテネグロ1部リーグのFKルダルに移籍が決まる。

「スペインでの経験が活きました。東欧は、よりフィジカル的な要素が強く、まともにやり合っても敵わないので、ポジショニングと状況判断の部分をかなり意識していました」

このまま順調にステップアップしていくかと思われたが、この国でプロの厳しさに直面する。

【次のページ】 結果を出さないともちろん試合には出れない