――フランスで新たな挑戦をスタートさせますが、中学時代は浦和ジュニアユースで3年間プレーしていました。その中で浦和西高に進学した理由を教えて下さい。

中学時代は自分たちの代になるまで、目立った活躍ができていなかったんです。試合にも出られなかったですし。サッカーIQには自信があって、自分が出た方がいいプレーができるという気持ちは持っていたのですが、ピッチ外での振る舞いや人間性が足りていなかったんです。試合でも守備をしない課題がありましたし。そこからユースに上がれず、サッカーに縁がなかったと自分の中で決め付けたんです。なので、強豪校に行く選択肢を持ちませんでした。その中で勉強ができて自由な校風を持つ浦和西高が、自分に合っているなと思ったんです。

――実際に学校に来てみると、1年生から試合に出られました。ただ、練習環境はレッズの頃と比べると全然違い、グラウンドも土でした。そこでギャップは感じませんでしたか?

1年生から試合に出られたのはまさかでした(笑)。浦和西高校が強いと思っていなくて、偏差値が高いのでガツガツやらずにサッカーをやるのかと思ったら全然違った。特にふたつ上の代がガツガツやるスタイルで、ここは本当に進学校なのかなと思うくらいで。ふたつ上の先輩たちと一緒にやると緊張感があった。もちろん、僕のやりたいサッカーと浦和西のサッカーが違う面もあって、戸惑いから苦労した時もありましたし、自分の力を出せない時期がありました。ただ、自分のサッカーのレベルと浦和西でできるサッカーのレベルに差があって、そこでやりたいサッカーを自分が主張していても、差ができてしまう。なので、今はやらないといけないサッカーを頑張ろうと思ってやって来ました。もちろん、自分の主張は続けていましたけどね。

――スタイルがかみ合わない時期もあった中で、浦和西高で自分の良さを伸ばせたは何故でしょうか?

他の強豪校でサッカーをやっていたら、ここまで自由にやらせてもらえなかったかもしれません。

――浦和西だったからこそ良さが伸ばせた点はありますか?

浦和西だったから、ドリブルなど好きなプレーを伸ばせたと思います。

――【後編】では挑戦までの過程に迫る

(取材・写真=松尾祐希)