畝傍 谷口祐樹監督(写真=会田健司)

ーー新人戦も優勝しましたし、サッカーで畝傍に行きたいという選手も増えてきている手応えはありますか?

 僕が来た時は全員が橿原市とその周辺の中体連出身でした。今までは北部の子たちが来ることはなかったんですが、今は1時間以上かけて生駒市や奈良市からもジュニアユース出身の子たちも来てくれるようになりました。今までだったら県外に出てしまっていたような、勉強もサッカーも頑張りたい子たちが畝傍を選んでくれています。

 奈良は元々、奈良、郡山、畝傍が公立校の中では進学校なんですが、今までは選手が分散していたんです。でももし、勉強も出来てサッカーもやりたい県内の選手が集まることが出来たら、私学とも戦えると思っていたんです。だから畝傍に来れば勉強もサッカーも頑張れるという環境さえ作ることが出来れば、集まってくれるだろうと。そういうチームをつくろうとやってきました。

ーー進学校という事で時間の使い方で工夫しているところはありますか?

 進学校というのはありますが、1日24時間という時間は変わらないので、他の学校もそうかもしれませんが、勉強とサッカーを切り離さないという事をやっています。今の状況状況で自分が精一杯やろうと。教室では勉強を頑張って、グラウンドに出たら今できることを精一杯やる。練習が終わっても、道のゴミを拾ったり、人に親切にしたり。今自分が出来るベストを楽しんでやるという感覚です。切り替えようというのはあまりないですね。

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