ファジアーノ岡山に加入が内定した明秀学園日立GK谷口璃成

 10月8日、ファジアーノ岡山は明秀日立に所属する谷口璃成(3年)が来季から加入すると発表し、同日に入団内定会見を行った。

 明秀日立にとっては2人目となるJリーガーの誕生で、高卒に限ってみれば初となる。会見はお祝いムードに包まれ、谷口の勇姿を見ようと多くの学校関係者も会見場に集まった。

 岡山の鈴木徳彦代表取締役GM、中島健太強化担当、明秀日立の萬場努監督とともに登壇した谷口は緊張した面持ちで登場。新たなチャレンジをするにあたり、意気込みを力強く語った。

 「私のサッカー人生を振り返ると、うまくいったことより、うまくいかなかったことの方が思い返されます。でも、そういったときに何ができるのか、自分で考え、どういうふうにすれば成長できるのか、自負してきました。その結果、今があると思っています。プロの世界に入り、今より多く、高い壁が待っていると思います。でも、そういったときに初心を思い出し、今できることを考え、さまざまなことを吸収していきながら成長していける選手になりたいと思っています」

 そして、谷口はお世話になった人への感謝も述べ、家族だけではなく、今まで自分に関わってくれた指導者やチームメイトへの想いも口にした。

 「私がここまで来られたのは、18年間近くで見守ってくれた家族、私に携わってくれた指導者の方々、チームメイトの支えがあったからです。そういった方々に恩返しできるよう、1日でも早く岡山のピッチに立ち、プレーで自分のこれまでの感謝を伝えていけるような選手になりたい」

 谷口の身長は194cm。高校年代だけではなく、Jリーグの世界でもトップクラスの部類に入るサイズを持つ。しかし、プロ入りを勝ち取るまでには多くの苦難もあった。香川県で過ごした中学時代はショナルGKキャンプなどにも参加した一方で、県トレセンではひと学年下で同じ中学校に通っていた松原快晟の控えに甘んじる悔しさを経験。そこから明秀日立に入学し、身長を生かすために未熟だった身体を一から鍛えた。筋力強化だけではなく、足の運び方も学び、3年生になってからは下半身も強化。その結果、ハイボールの処理やキックに力強さが加わり、Jクラブから声がかかるGKへと成長した。

 将来の目標についてはプレミアリーグでのプレーと日本代表入りを目指したいと話す。もちろん、実現は簡単ではなく、並大抵の努力で辿り着けるほど甘くはない。本人もその辺は承知しており、「その目標が簡単ではないことも分かっています。そのためにも今できることをしっかりとやり、地に足をつけ、成長していきたい」と意気込んだ。

 これから始まる高校サッカー選手権予選でチームを優勝に導き、全国舞台で3年間の集大成を飾れるか注目だ。

谷口璃成
■ポジション
GK

■経歴
勝賀中学校→明秀学園日立

■プロフィール
生年月日:2003年6月7日
出身地:香川県

■身長/体重
194cm/80kg