入団会見に挑んだ浦和レッズに入団内定の京都橘FW木原励
10月19日、京都橘(京都)所属のFW木原励の入団記者会見が京都橘高校で行われた。記者会見には木原と共に米澤一成監督、安田文彦校長、西野努テクニカルダイレクターが出席した。
木原は高校No.1ストライカーとも言われ、Jクラブの争奪戦が予想され注目されていた。入団が内定した浦和レッズについては「自分が子供の頃にテレビで観ていて浦和レッズのサポーターは凄い熱狂的で日本一のサポーターだと思っていて、『埼玉スタジアムが真っ赤な中でプレーしたらどんだけ楽しいのかな』とか『その中でゴールを決めれたらどんだけ嬉しいんだろう』と試合を観ていて思って、試合も凄い面白いし、ああいう日本を代表するチームで日本を代表するサポーターの中で早くプレーしたい」とコメント。
今年はリカルド・ロドリゲス監督を招聘し、J2から小泉、明本、平野を、海外からはユンカー、ショルツ、酒井を、J1からも江坂などと次々と補強を成功させている西野TDは「スカウトに『是非この選手を』と推薦された選手の一人で、練習参加をしてもらう中で僕らや監督コーチも見て将来的に非常に可能性があると評価して獲得を決めました」と獲得に至った経緯を説明した。続けて「浦和レッズの歴史には常に日本人のストライカーがいます。これからの事を考えると、浦和レッズを代表するような日本人のストライカーがいて欲しいという事で探していて、木原選手に声を掛けさせてもらいました」と、将来的にミスターレッズ福田正博さんや永井雄一郎さんなどがつけた浦和レッズの背番号9を背負う日本人ストライカーとしての期待も示唆した。
中学時代の木原について米澤監督は「バランスの取れる選手だなと。よくスペースを見たり、人を見たりしてサッカーを出来る選手。技術的ではスピード面、フィジカル面、サイズ感を含め全てオールマイティに兼ね備えているという印象でした。高校でそれがより速く強く、プラス彼の特徴の賢さが伸びれば本当にいい選手になると思っていましたし、感覚的にはプロに近い選手だと思っていましたのでそう育ってもらえれば、そうしなければと思っていました」と高校入学前からプロ入り出来る素質があり、その通りに成長したとコメントした。
木原はセレッソ大阪U-15からU-18には上がらず「プロになる為に」京都橘へ入学。1年からメンバー入りを果たし、2年になると「チームの状況がわかって、チームの為に点を取らないといけないという自覚が生まれた」(米澤監督)と当時3年の西野太陽(現・徳島ヴォルティス)と2トップを組みチームの主力になると、全国高校サッカー選手権では1回戦で松本国際(長野)相手に2ゴールの活躍をみせた。そして3年になるとキャプテンとしてチームを引っ張りながら、浦和レッズの練習に参加しエリートリーグにも出場。「どっちの方が自分が成功できるのか」と大学へ行くことも選択肢にあったようだが、4月に浦和レッズの練習に参加した事で「やるなら激しい方でやろう」と高卒プロ入りの決意を固め、見事に入団内定を勝ち取った。
「最初はエリートリーグに45分出させてもらってプロの強度とかスピード感について行くのに必死で『これではまだプロにはいけないな』と思いました。2回目は1週間練習参加させてもらって、プレースピードは対応出来たんですけど、"守備の強度が課題"と感じて『自分の強度ではプロではまだまだやっていけない』と感じました。それでも逆にボールが出てくるので"ここに行けばボールが出てくるだろう"とか"このスペースを使ったら良さが活きるんじゃないか"というのを感じて凄く楽しかったです。最後の方は強度はまだまだ足りないんですけど、"受け方とかスペースの使い方は上手くなった"と実感がありました」と、今年の3度の練習参加で"プロで通用しないのではないか"から"プロのレベルの高さを楽しむ"までに意識も変化している。
「インターハイ京都予選決勝で負けて凄い悔しかったんですけど、これから自分たちが強くなるにはいいきっかけだった」というインターハイ京都予選決勝で東山に負けたことで更なる向上心が生まれた木原。高校最後となる今年の選手権では「得点王になりたい」と全国大会で活躍して置き土産を残し浦和レッズに旅立つ決意だ。しかしインターハイ全国大会で8強入りした東山やカターレ富山内定MFガブリエル・エンリケ擁する京都共栄など、先ずは京都予選で強敵が待ち受ける。最後の選手権と残りのプリンスリーグ関西での木原の活躍に注目だ。
(文・写真=会田健司)
【木原励(きはられい)】
■ポジション
FW
セレッソ大阪U-15→京都橘
■プロフィール
生年月日:2003年6月4日
出身地:大阪府
■身長/体重
180cm/68kg