興國の内野智章監督

 5月29日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選の5回戦、興國香里ヌヴェール学院の試合後に興國の内野智章監督とU-16日本代表で10番を樺山(現J1横浜Fマリノス)から受け継いだ一年生MF宮原勇太にインタビューを敢行した。

以下、内野智章監督

ーーまず今日の試合を振り返ってみていかがだったでしょうか?

 3-0になるまでは緊張感もあっていいゲームだったと思います。前半いい折り返しをしたんですが、要所要所でミスは起こると思うんですけど、見ていて気持ちが入っていないミスが出始めて、人に譲ったりしていて。折角高体連の先生たちがこうやって去年出来なかったインターハイを色々な批判がある中で開いてくれて、会場も用意してもらっていて、チーム内でも300人の中から選ばれて、Jのスカウトが何チームか見に来てくれてっていう環境の中で『なんでそうなるん』ていうプレーが出て来て残念でした。青森山田なんて全然違いますよ。あの市船から何点取るのって話じゃないですか。でも今日のうちだったら市船に後半だけで逆転されますよ。そういうメンタリティーの弱さが出てしまった。永長が一生懸命頑張ってJからも注目されるようになっているんですが、周りの選手たちが自分もそういう世界にいけると勘違いしている。去年は樺山に引っ張られてどんどん周りも成長していって、プロに行けなかった選手たちも今、大学で一年から試合に出ているんです。向上心もあったし、謙虚さもあったし、樺山ってリーダーが高みに連れて行ってくれたんですが。今年は永長が天然キャラなので引っ張るっていう感じでもないんです(笑)

ーー今年は武本君がその立ち位置になりますか?

 そうですね。『武本にボールを預けろ』っていったらみんな彼にボールを集める。それぐらいの能力があるんですよ。だから武本にそこをやってもらいたいんですが、今日なんかでも彼が一番最初にスイッチをオフにしてしまうので。そこが今年の難しいところです。

ーー去年、武本君は中盤をやっていたと思うんですが、今年はサイドバックをやっていますよね?

 それは彼自身の能力の部分で、もちろんボランチが一番いいんでしょうけど、めちゃくちゃスピードがあるんですよ。スピードがあって両足が蹴れて戦術眼が非常に高いので、去年昌平とやった時も一個上の代でウイングで出ているんです。ビルドアップも攻撃も守備もできる。本当に突出している才能を持っているんですけど、ボランチだとわからなくてもサイドバックだとサボっているのがわかるじゃないですか。U-18の日本代表に入っていてもおかしくない才能を持っているのにムラがあるので、成長の為にサイドバックをやらせています。

ーーインターハイに向けてチームの雰囲気はどうですか?

 大阪勝ち抜くのは難しいですからね。プリンスリーグの監督さんたちに勝ち方を聞いても教えてくれくれないですから(笑)。連戦が続くので、今日も本当は色々な選手に経験を積ませたかったんですが、試合展開的に難しかったです。

興國の10番MF宮原勇太

以下、10番MF宮原勇太

ーーまず今日の試合を振り返ってみていかがだったでしょうか?

 自分的にはもっとやれたかなと思っていて、前半も点を取れるシーンがあったんですけど、シュートをふかしてしまった。高校で初めてのインターハイの試合で緊張もしていたんですけど、もっとやらないといけないなと思いました。

ーープリンスリーグではもう活躍していると思いますが、インターハイはまた違いましたか?

 言い方は悪いんですけど、プリンスリーグはリーグなので負けてもポイントが入らないだけでなにもないけど、インターハイや選手権は負けたら終わってしまう。しかも一人だけ一年生で10番も背負っているので、チームに貢献しないといけないってところもあるので、そこらへんが違うかなと思います。

ーー高校に入っていきなり樺山君から10番を受け継ぎましたが、そこに対してはどうですか?

 プリンスリーグで点も取れているのでいい感じでは来ていると思うんですけど、こういう舞台で点を取って活躍しないといけないなと思います。

ーーU-16日本代表に行って意識の変化などはありましたか?

 U-16日本代表に行っている時は自分が一番上手いという意識でプレーできていてチームを引っ張ることが出来ているんですけど、興國だとまだチームに引っ張ってもらっている感じなのでもっと自分がチームを引っ張るつもりでやっていかないといけないと思います。

ーーでは最後にインターハイの目標を教えてください

 全国に出るのは絶対条件で、全国に行ってから自分が得点王になるぐらい点を取りたいです。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校総体(インターハイ)大阪予選
令和3年度全国高校総体(インターハイ)大阪予選