興國戦のハーフタイムに指示を出す桃山学院の堀佳津之監督

 「ボールを止める」にこだわるサッカーで、6回戦ではプリンスリーグ関西首位の履正社を破り注目を集めた桃山学院。令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選の準々決勝興國戦後(0-3で敗戦)に堀佳津之監督にお話を伺った。

ーーまず今日の試合を振り返ってみていかがだったでしょうか?

 相手の良さが本当に出た日でしたね。試合の入りで相手がどうポジションを取ってくるか、僕らもプレッシングをするパターンを持っていたんですが、11番(興國・永長鷹虎)が浮いてしまって、カバーするのに時間がかかってしまって後手を踏んでしまいました。その後修正を加えて戦えるようになったので、後半の戦いを最初から出来ればよかったんですが、ボールを止める運ぶだとか、フィジカルの部分というよりかはその差がでてしまったので、これは宿題として持って帰りたいと思います。

ーー前半、かなり前からプレッシングに行っているなと見えたんですが

 そうですね、(興國を)リスペクトしてしっかり引いてブロックを敷いて守ってカウンターだけを目指してという選択肢もあったんですけど、僕らも高い位置からいく事を決めてやったので、そこに悔いはないです。戦ってそれをやっての結果なので、そのスタイルは貫こうと思っています。

ーー先に得点を取りたかったですよね

 そうですね、最初の入りは良かったので一点先に取れればメンタル的にも押し込めたかなと思います。よく興國さんとは試合もさせてもらっているので、手の内もお互いに知っている中だったんですが、今日は興國の日でしたね。その辺が大阪のサッカーを前に進められるような取り組みがお互いに出来たらと思って向き合いながらやっていたところで、今日は子供たちと一緒に決めて前線から厳しくいって、今までやってきた事を出すと。これが結果的に0-3とこっちの思い通りにはならなかったんですけれども悔いはないです。

ーー今大会を振り返ってもらえますか?

 まずはこの大変な時期の中、高体連の委員長始め、支えてくれた学校のみなさん、こんな自分についてきてくれたスタッフのみんな、子供たちに感謝を申し上げたいです。私たちが一勝一勝することで、閉塞感がある学校生活も少し賑わったりも出来て、本当にいい時間を過ごすことが出来ました。その所で私たちが一つ勝つことで希望を持ってくれる人がいたり、チームさんがあったり、戦えなかった高校のサッカー部もあったと思うので、そういう部分で大阪の高校サッカーが前に進めるような戦いに今後もチャレンジしていきたいと思っています。おこがましいんですけど、一つ一つ自分たちでこだわって、そして自分たちが代表になって優勝旗を持って帰れるように、そういうこだわりを見つけて取り組んでいきたいと思います。

ハーフタイム時の桃山学院イレブン

ーー履正社に勝って選手たちに自信が付いたなどの変化はありましたか?

 そうですね、自信は付いてるんですけども大阪はどこと当たっても決勝みたいなものなので、気の緩みもなかったですし、浮かれる事もなかったです。一戦一戦そういう相手と戦う中でタフさは付いたと思います。連戦で喜んだり悲しんだりする時間もなくて、それでも次の準備をするというサイクルだったので。高校サッカーというスポーツを通じて人間形成という部分ではいい時間を過ごせていると思います。

ーー最後にリーグ戦や選手権に向けて今後の意気込みを教えてください

 やっぱり違いを作れる選手を育てていきたいですし、そこはやはり指導者が逃げがちになっている、ボールをしっかり止めるという部分。ボールをしっかり止めて出来るプレーを増やして、出来るプレーが増えたらおそらくサッカーが楽しくなると思うので。ボールが止められるようになった、パスが繋がるようになった、そうやってサッカーが楽しいなと思えるような選手を増やしたいです。そしてそれが生涯スポーツになるような。そうしたら将来その子の子供がまたサッカーをやってっていうように繋がっていくかもしれないので。根本的なサッカーの本質のところにもう一回取り組んでいこうと思います。当然勝負事なので勝ちに行くんですが、そういう事も含めてサッカーの指導者としていろいろ勉強しながら、次の優勝という目標へ進んでいけたらと思っています。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校総体(インターハイ)大阪予選
令和3年度全国高校総体(インターハイ)大阪予選