応援リーダー4選手Ⓒ日本テレビ

 日本テレビは12月28日から首都圏内で行われる第100回全国高校サッカー選手権大会の応援リーダーに、高校サッカー出身の東京五輪日本代表の4選手に決定したことを発表した。例年、高校サッカーの応援リーダーには、選手達の目標となる現役プレーヤーもしくは現役に近い人物が就任しているが、東京五輪が開催された今年は、五輪年代の頂点を目指した東京五輪日本代表の4人に決定。4人による応援リーダーは史上初となる。

 東京五輪で5試合に先発出場した林大地(ベルギー・シントトロイデン)は、大阪の履正社で選手権に2度出場。大学を経由してプロ入りし、東京五輪後に海外移籍を果たした。J1リーグで得点王争いを繰り広げている前田大然(横浜F・マリノス)は、山梨大会決勝で2得点するも選手権出場は果たせなかった。しかし、高卒でプロ入りし、山梨学院高等学校時代の恩師や家族の支えを胸に刻んでキャリアを積んできた。

 川崎フロンターレでJ1連覇を目指す旗手怜央。故郷・三重を離れ静岡学園に入学し、技術を売りにするチームの中で自分の居場所を探し出し、大学を経由してプロ入り。プロ2年目の今年、原点を忘れないよう、高校1年生の時につけていた背番号「47」に変更した。茨城出身の上田綺世(鹿島アントラーズ)は、鹿島アントラーズの下部組織から地元の鹿島学園に進み、大学を経由して再びアントラーズに加入するという夢を果たした。そして今年の東京五輪では、鹿島スタジアムで開催された準々決勝に出場し、PK戦を制しての勝利に貢献。4人の経歴はそれぞれ異なるが、4人とも高校サッカーを経験することで夢を実現するきっかけをつかんだ選手達だ。様々な背景を持つ応援リーダーが、様々な選手の目標となり、高校生を後押しする。

【林大地】
1997年5月23日生まれ(24歳)大阪・履正社高校出身
第92・93回全国高校サッカー選手権に出場し3得点を記録。
『ビースト』の愛称でファンから親しまれ、東京五輪では5試合に先発出場。東京五輪後にベルギーへと海外移籍。
~林大地コメント~
「真剣に何かに取り組むことの素晴らしさや、仲間と1つの目標に向かって取り組むことの素晴らしさを高校サッカーから学びました。仲間の存在は本当に大きいですね。今でも履正社高校で出会った仲間とは連絡を取りあったりします。その時は、いつも、また高校サッカーしたいなっていう話をしますね(笑)。高校生には、同じ目標に向かってみんなで一つになって取り組むことの素晴らしさを再確認してもらって、頑張ってほしいなと思います」

【前田大然】
1997年10月20日生まれ(23歳)山梨学院高校出身
第94回全国高校サッカー選手権 山梨大会決勝では2得点を記録。
高卒でプロ入り、海外移籍も経験。東京五輪では3試合1得点。J1リーグで得点王争いを繰り広げている。
~前田大然コメント~
「僕は、選手権で山梨学院が優勝したのを見て進路を決めました。高校サッカーを経験してなかったらプロサッカー選手には絶対なれてないと思います。高校時代はずっと周りに支えられたので、そこで出会った仲間とか、総監督や監督、コーチ、そして親の存在は本当に大事だなと思っています。僕が高校生達に伝えたいのは、サッカーだけじゃないよっていうことですね。サッカーだけやっていてプロになる人はいるかもしれませんが、やはりサッカー以外のところも大事だと思っています。それを、僕からは伝えたいかなって思いますね」

【旗手怜央】
1997年11月21日生まれ(23歳)静岡学園高校出身
第93回全国高校サッカー選手権に出場し2得点を記録。
東京五輪では5試合に出場。川崎フロンターレでは様々なポジションで出場、J1で優勝争いをするチームで存在感を放つ。
~旗手怜央コメント~
「今があるのは静岡学園の3年間がすごく大きいと思っているので一番成長させてくれた場だと思いますし、そこに関しては感謝しかないです。あの3年間があったからこそ今の僕があるし、すごく幸せな時間3年間を過ごさせてもらったと思います。高校サッカーは、僕からすると『原点』っていう言葉が一番当てはまるかなと思います。僕が高校入った時の1年生の時に練習試合とかで着けるユニフォームがあったんですけど、その背番号が47番で、今回そこに立ち返るためにっていう思いで、今年フロンターレで47番を付けさせてもらっています」

【上田綺世】
1998年8月28日生まれ(23歳)茨城・鹿島学園高校出身
第95回全国高校サッカー選手権に出場し2得点を記録。
東京五輪では全6試合に出場。法政大学を経て加入した地元・鹿島アントラーズのエースストライカーとしてチームを牽引している。
~上田綺世コメント~
「僕は、『一瞬』という言葉を大事にしているんですが、高校の頃、恩師の鹿島学園の鈴木雅人監督によく言われていた言葉なんです。点を取る場面や試合の中で、すべてにおいてその瞬間は一瞬しかありません。だからその一瞬を逃さないための練習だったり、コンディション調整だったり、そういうところを常に意識しなさいと言われていました。当時はそんなに意味も深くは考えてなかったんですけど、大学やプロを経験して、改めて大事な言葉だなと思います。今大会の高校サッカーに挑む高校生に対しては、プロを目指している選手も目指してない選手も、たぶんみんな同じ思いで戦っていると思うので、目の前のワンプレーやその一瞬を大事にしてほしいなと思います。一瞬遠慮したり、一瞬自分の準備をサボったりとか、その一瞬で遅れたことによって一生後悔することになったりすると思うので、一瞬一瞬を大事にしてほしいですね」

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権