流通経済大柏B 高橋隆監督

 12月21日、プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)の決定戦が山梨県の押原公園グランドで行われた。第2試合、鹿島学園 (茨城)vs流通経済大柏(B) (千葉)はMF小林拳史郎の2ゴールの活躍で流通Bが鹿島学園を2-0で下した。14勝4分けで千葉県1部リーグを優勝した流経Bは最後の公式戦も勝利で飾り、来季のプリンス関東1部参入を決め、今季を無敗で終えることとなった。

 試合後、流経Bの高橋隆監督は「春先はこんな風になるとは全く思っていなくて、3月の遠征に行った時は全敗だったんです。どういう風にしていこうかと考えながらやっている中で、Bチームの役割はトップチームに何人上げられるかという底上げが何よりも大切で、そのための公式戦だと常に言ってきました。良くなって(トップチームに)上がっていく、あまり結果が出ずに落ちてくるの繰り返しで、選手の出入りが凄く多かったんです。この試合も急に二人来て今日合わせたところがあって。やっぱりトップチームが優先なので県リーグの最終戦も16人しかいなかったり。そういう中でも選手が頑張って結果を残してくれました」と、メンバーが変わる中でも結果を残せたことを選手に感謝した。

 高橋監督としては県リーグでの優勝は今年で3度目だったが、参入戦で2度の敗退を経験した。来季からプリンス関東が2部制になるという事で、今年は例年とは違う意味を持っていた。今年の参入戦で勝てば、県リーグ1部からプリンス1部にダイレクトで上がれるからだ。そこで、「今まではやらなかった」という対戦相手のスカウティングをやり、負けないサッカーを掲げ戦って来た。メンバーの入れ替わりが激しいBチームでは、相手チームよりも完成度の面でどうしても劣ってしまう。それを前提に現実的なプランを立てて1年間戦った結果、リーグ戦とこの参入戦を無敗で乗り切る事に成功したのだ。

 そして「負けてもおかしくない試合が多くあった中で、特に3年生が我慢強く献身的にやってくれました。そういう難しい状況の中で結果を残せたことは、僕自身凄く勉強になったし自信にもなりました」と一年を振り返った高橋監督。来季からはステージが上がる事で「今日の試合も僕の中では30点の出来です。上がる事よりも居続けることの方が難しいので、結果だけではなくクオリティを上げないと戦えない」と厳しい戦いになる事を見据えている。

 主体性を重んじる流経Bでは選手たちがセットプレーの練習を考え、試合前のアップのメニューも自分たちで決める。そうして3年生が残してくれたプリンスリーグ昇格という置き土産を、今の1.2年生たちが残留という形で繋いでいけるか。「理想とは程遠いい内容の試合ばかりだった」と「無敗で優勝できた」という葛藤も多く、「トップチームに選手を上げられて嬉しい反面、Bチームとしての懐事情は厳しくなる」と難しい仕事を任されている高橋監督が、新しいBチームを率いてどのようにプリンス関東1部で戦うのか。来季の流経Bの戦いにも注目だ。

 (文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)
高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)