流通経済大柏BキャプテンMF小林拳史郎

 12月21日、プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)の決定戦が山梨県の押原公園グランドで行われた。第2試合、鹿島学園 (茨城)vs流通経済大柏(B) (千葉)は流通Bが鹿島学園を2-0で下した。

 試合後、流経BのキャプテンMF小林拳史郎は「Bチームの活動がこれで最後になるので、『最後はしっかり締めたな!』って言われるような戦いぶりをみせれるように意識して戦ったので、そういうところでは結果を出せて終われて良かったです」と振り返った。

 この試合、小林はMFながらにチームの2ゴール両方を決めた選手だ。まずは13分、右サイドのFKに「セットプレーはチーム全体の強み。一人一人が『自分のところに来い!』と思ってるので、自分もそう思っていたので頭で触れたのかなと思います」とヘディングで合わせてゴールネットを揺らす。そして27分にはゴール前でスクランブルになったところで、「前に人がいっぱいいてあそこしかないなと思っていたらこぼれてきて蹴り込みました」と一個後ろに構えていた小林のところにボールがこぼれ、これを思い切り振り抜き、シュートをゴールネットに突き刺した。

 3年間の活動がこれで終わった小林は「本当に1年や2年の時はコロナでサッカーが出来ない時もあったんですけど、今年はしっかりリーグ戦や大きな大会も出来ることになって、そこへの意気込みも出来ていましたし、リーグ戦が始まる前は負ける試合もあったんですけど、それを"コロナのせいにしない"という心持ちでやってきたので、リーグ戦でも参入戦でも結果を出せて良かったです」と振り返ってくれた。

 「今年は負けるんじゃないか」と言われていたという流経Bはリーグがいざ始まるとあれよあれよと連勝を伸ばした。メンバーが毎回変わる状況の中でも結果を残すことで、選手たちの自信にも繋がっていった。そして14勝4分けで千葉県1部リーグを優勝した流経Bは最後の公式戦も勝利で飾り、来季のプリンス関東1部参入を決め、今季を無敗で終えることとなった。

人生初の胴上げをされる小林

 「"終わりよければ全てよし"じゃないですけど、尻上がりに調子が上がってきて良かったです」とキャプテンとして流経Bを引っ張ってきた小林は「選手権のメンバーに入れず、落ち込みもあったんですけど、Bチームでキャプテンをやらせてもらって、そこへの責任感もあったのでしっかりチームのためにやろう」とやはり選手権のメンバーに入れず悔しい思いもしたと話したが、しっかりキャプテンとしてチームを引っ張ってきた。

 プレミアを戦うトップチームと県1部リーグを戦うBチームに2部のCチーム。「本当に周りの奴が上手いし、尊敬できるチームメイトばかり」と小林もチームメイトと激しい競争の中で3年間戦って来た。「選手権に出るメンバーは本当に任せられる選手たちです。チーム一丸となれるのが流経の強みなので」とメンバーには入れなくても一緒に戦うつもりだ。

 最後に「Bチームのみんなが本当に頑張ってくれて、ここまでこうやってやって来れて本当に良かったですし、本当に一年間みんなと一緒にシーズン通してやって来れたことで自信になったし、この経験が将来のために活きると思います」と、小林はBチームのキャプテンを務めあげたことを誇った。

 小林はこのインタビュー中にも周りの選手にいじられ、試合後には高橋監督の後に人生初の胴上げも経験した。そんな周りから信頼され、愛されるキャプテンが高校最後の試合で最高の結果を手にした。小林拳史郎の一年間の苦労が報われたことを嬉しく思う。

 (文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)
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