MF眞城美春(写真=西森彰)

 今年10月にインドで開催されるFIFA U-17女子ワールドカップを控えるU-17日本女子代表は、3月20日から24日まで、千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドで候補合宿を実施した。

 今年初の活動では全体での練習の他、佐々木則夫女子委員長によるミーティング、スフィーダ世田谷や日体大SMG横浜とのトレーニングマッチが行われた。

 28人の候補選手が選ばれた今回、ここでは特に注目の選手5名を紹介する。

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MF谷川萌々子(JFAアカデミー福島)

 練習試合では、キャプテンマークを付けてプレー。もともとは前線で試合を決めるプレーヤーで、U-16代表以降はタレント過多の前線から、組み立てをする側に回っている。それでも「ロングシュートやアシストなど、直接ゴールに絡むプレーも狙っていきたい」と意欲を見せる。フィジカル強化の必要性を痛感し、地道な筋トレを含む身体づくりに力を入れた結果、上背だけでなく、筋力量も増えて、見た目的にもパワーアップした。

MF眞城美春(日テレ・東京ヴェルディメニーナ)

 局面打開力に優れた攻撃的ボランチ。もともとドリブルが得意だったが、身長が伸びるに連れて、加速力がアップ。皇后杯では、ゲームの終盤にも長いドリブルから強烈なシュートを繰り出すなど、メニーナのベスト4進出に大きく貢献した。WEリーガーとの対戦で感じた「スピード、パワーの差」の習得を意識しながら、予測、準備にも磨きをかける。

MF藤崎智子(三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース)

 冬のU-15全日本女子サッカー選手権では、浦和の攻撃をけん引した。与えられた役割をハイレベルでこなせるマルチロール。サイドで駆け引きをしながらチャンスを演出し、中央でゴールを狙いながら、激しいチェイシングを繰り返す。今回の合宿でも、両サイドハーフとトップでテストされ、それぞれのポジションで適応力をアピールしていた。

FW久保田真生(藤枝順心)

 名門・藤枝順心では、攻守にスイッチを入れる働きを見せている。昨夏のインターハイでは、レンジの広いアプローチで、対戦相手に息を継がせる時間を与えず、こぼれ球を拾っては、そこからのドリブルでチャンスを膨らませていた。憧れの選手はなでしこジャパンの岩渕真奈で「見ている観客が楽しめるようなプレーで、チームを勝たせたい」とさらなる成長を目指す。

DF三冨りりか(神村学園高)

 中学時からなでしこリーグの選手と伍してプレーしていた逸材。全日本高校女子サッカー選手権では、決勝戦のゴールを含む4得点で優勝に貢献した。神村学園でも多くのポジションをこなすユーティリティープレーヤーだが、今回の合宿では「初めて」というサイドバックに挑戦。クラブ出身選手の巧さ、力強さに刺激を受け、これを取り込む貪欲な姿勢を見せている。

(文・写真=西森彰)

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