敬愛学園戦で先制ゴールを奪ったMF中屋天吾(写真=多田哲平)

 平常心でいることを促した指揮官の言葉は、選手たちにとって足もとを見つめ直すきっかけとなったに違いない。千葉敬愛戦から敬愛学園戦までの4日間は、気持ちを切り替えて、積み上げてきたものをもう一度確認する期間となったはずだ。

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 金子監督は今季のスタイルを「まだ模索中」だというが、そのベースには昨年から変わらない部分がある。

 「DFの選手は変わりましたが、去年のチームの流れを少し汲んでいるところはあります。去年はCBの細井(響)というロングボールを蹴れる選手がいて、彼のロングボールがひとつ攻撃のスタートになっていた。

 うちの特長は長短を織り交ぜたポゼッション。ポゼッションと言うと短いパスだけを指しがちですが、うちは背後へのパスやロングフィード、対角へのボールなど長いパスを織り交ぜながらやってきました。今年もその残像がある。

 去年とまったく同じというのはできないですけど、今年はさらに個のところで、やんちゃな子が揃っている。ドリブルで仕掛けたり、そのへんが嚙み合って爆発したら面白いと思います」

 そうしたスタイルを発揮するために、金子監督はメンタル面を強調する。関東大会への切符を懸けて戦う準決勝はこれまで以上に重圧がかかるのは間違いない。それも対するのは、同じ県リーグ1部に所属する専大松戸という好敵手だ。

 「ベスト4の意義は大きい。次勝てば、とりあえず関東大会に出場できる。それによって子どもたちの道も開けてきますので。ここまでは力ませないように『自分たちのサッカーをやろう』『落ち着いてやろう』と声がけをしていました。ただ次は、もちろん力まずにあの子たちの良さを引き出せるようにしながらも、勝ちにこだわらせて頑張らせたい」

 2018年以来4年ぶりの関東大会出場なるか。平常心でいながらも、より勝利にこだわる――。そうした姿勢が準決勝を制するポイントとなりそうだ。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度関東高校サッカー大会千葉予選
令和4年度関東高校サッカー大会千葉予選