静岡学園を率いる川口修監督(写真=多田哲平)

 2-0で勝利した準々決勝の飛龍戦でも開始6分に先制しながら、追加点を取るまで時間を要した。もっとも引いた相手とのゲームは、戦い方の幅を広げるひとつの経験になったはずだ。

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 「基本的に我々は選手を伸ばすことに重点を置いている。プレミアのプレッシャーのなかで通用すること、そこで違いを見せられる選手を育てるのが第一にある。トーナメントを勝ち抜くという発想で育成はやっていない。最後の選手権の時期になれば、トーナメント仕様になる部分は多少あるけど、今はやっぱり選手を育成して、少しでも多くの選手に良い大学から声がかかったり、プロから声がかかったりすること。それを第一優先でやっている」

 トーナメントで勝ち抜くこと以上に、レベルの高い環境で通用する選手を育てることを優先する――指揮官のそうしたスタンスにはブレがない。

 課題はポジショニングだ。「引かれた相手に対して点が取れない原因は何かというと、立ち位置なんですよ。いつも(プレミアリーグ)だったら攻撃される分、ボランチが低い位置でしっかり守備をしながら、攻撃に行く。でもこういう相手(県内のトーナメントで戦う相手)に対してはもっと高い位置を取らないといけない。それが同じ感覚でやっていると上手くいかない。そこは難しい部分だった」と川口監督は言う。

 「まだ総体なので、何も焦ることはない」。番狂わせでの敗戦も糧に、静岡学園はまた強くなる。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
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