大会を通じて見えた課題は得点力だ。藤枝東との準決勝では、MF香川太朗(3年)とFW林賢人(2年)のゴールで2得点したものの、清水桜が丘との準々決勝、そして磐田東との決勝では最後までゴールネットを揺らせなかった。

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　指揮官は言う。

　「やっぱりサッカーは『点を守る、点を取る』ですから。得点できないとこうなってしまう。コンパクトなチームに対しても、点を取れるチーム作りをしないと、どうしても相手の術中にハマってしまう。

　トーナメントで勝ち上がってこれないチームは、得点が取れないとか、そういうものが出てくる。もちろん、強がりじゃないですけど、静岡を勝ち抜くためだけにサッカーをやっているわけじゃない。ただ、先を見据えたなかで、しっかり自分たちがやるべきことをやったうえで、今度は勝って全国にチャレンジさせてあげたい。

　だから、メンタル面からまた鍛え直します。試合後に『相手を見てみろ、悔しいだろ、喜んでるぞ』と。トーナメントは1チームしか勝ち残れない。彼たちがそれをどう感じるか」

　初の決勝進出を果たし、全国の舞台に迫ったのは事実。冬の選手権こそは悲願達成へ――。悔しさが、また藤枝明誠を強くするはずだ。

(文・写真＝多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ（総体）静岡予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ（総体）静岡予選