PK戦を制し歓喜に沸く関大北陽イレブン

 矢田監督は「興國さんみたいにポゼッションでボールを支配出来ればいいんですが、強豪チームに比べるとそこは力が足りない部分もあるので、まずは守備からリズムを作って、相手にサッカーをさせないような守備の構築を沢山ミーティングを重ねてやってきました。いい守備からのショートカウンターがベースになっているんですが、左サイドの栗野優吾だったり右の田中悠矢や、交代で出た村田将太もスピードがありますので、多彩なサイド攻撃も出来ます。奪ってからのタイミングを逃さず、ダメならサイドという事で、彼らは自分たちの形に持って行る自信があるのでそこは強みだと思います」とチームの特徴を説明する。

 相手にシュートを打たせない守備に、スピードのある選手たちの特徴を活かした攻撃。これが今年の関大北陽の強さだ。

 北陽高校の卒業生でもある矢田監督は関大北陽の監督になって11年目。「北陽高校を卒業して京都産業大に行った後に、野々村監督から『帰って来い』と言ってもらって、戻ってきて11年コーチをやりました」と、11年間コーチを務め監督としてチームを引き継いだ。

 関大北陽は4年前に大阪大会を制し全国大会に出場を果たした。前身の北陽高校から数えると全国出場は選手権出場10回、インターハイ出場は大阪府勢最多の22回。73年度の選手権と78年度のインターハイで全国制覇も成し遂げている伝統校だが、最近ではプレミア・プリンス勢に行く手を阻まれ影を潜めている。

 「北陽高校から関大北陽に変わって、学力も上がったこともあってサッカー部は過渡期に入りました。今までは時間も費やして根気強くやっていくというのがベースだったんですが、自分たちで色んなゲームメイクが出来て、状況判断も出来るチームに変わってきているので、選手の主体性を生かしながら、選手だけのミーティングをやったり、セットプレーも選手に任せて自分たちで映像を撮って追及したりやっていたりするので、前までとは大きく変わったと思います」と学校も大きく変わった事で、チームも変化し難しい時期が続いた。

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▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選