「今日も歴代のOBの方々がたくさん来てくれましたし、校長先生も北陽高校の良さも残して運営してくれているので、北陽高校の強さと関大の賢さを噛み合わせて強いチームを作っていこうとやっています」

 歴史ある北陽の強さを残しながら、関大北陽として新しく生まれ変わる。痛みを伴いながらも、ようやくうまくお互いの良さが融合されたのかもしれない。

 しかしプレミアリーグやプリンスリーグで戦う他チームに後れを取ってしまっているのも事実。

 矢田監督も「早くそこに行かないといけないと思っているんですが、今は大阪の2部にいるので、大阪の中にはBチームでも強いチームが沢山あって、一つずつ勝って進めていくしかないと思っています」と一段一段、階段を上がっていくつもりだ。

 あと一つで全国。その相手は強敵・興國だ。

 「興國高校さんは凄い力のあるチームで、良いサッカーをするチームでもあるので、あくまでもうちは挑戦者として、しっかりと守備を固めながら得点機を逃さない戦い方が出来れば全国への切符が獲れると思っていますし、選手たちを信じて送り出したいと思っています」

 指揮官は決戦に向けてそう力を込めた。

 内野智章監督が歴代最高のビルドアップと自負する興國に、関大北陽の"相手にサッカーをさせない"がどこまで通用するか。

 準決勝、興國vs関大北陽はあす万博記念競技場で13:30にキックオフを迎える。 

 (文・写真=会田健司)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選