PK戦に臨む成徳大深谷の選手たち(写真=多田哲平)
「選手権予選で(浦和)南高にPK戦で負けたんですよ。その前から、PKで勝ち上がるかどうかが決まるという重要性はすごく感じていたので、選手にも毎日やらなきゃダメだなと伝えました。
でも毎日ただやるんじゃなくて、緊張感を持たせてやること。ガヤガヤしているなかではなく静寂したなかで蹴らせるトレーニングはさせています。どれだけ本番に近い状態でできるかは伝えています。今年はGKの木村航大を中心にやろうぜという声もあり、選手に任せているところもあります。ただキッカーをチョイスするのは僕らなので、ちょっと遠巻きに見ながら、『ああ、こいつこういうところがあるんだな』と見ながらチョイスしています」
PK練習の中心であり、西武台戦で5人目のキッカーを務めたGKの木村は、その詳細を語る。
「全体練習が終わったあとに、1人1本必ず蹴るんです。それで、そのあともみんな残って満足するまでやっています。僕の練習に付き合ってくれているところもありますけど(笑)。GKは交代しながらで、僕はキッカーも務めます。それが今日、結果として出たので良かったです」
もちろん昨年の選手権予選王者の西武台を相手にがっぷり四つで組み、互角に渡り合った延長後半までの戦いぶりも素晴らしかったが、それに加えて、強豪を破った背景には、日々の弛まぬPKの鍛錬もあったのである。
見事に勝利を収めた東京成徳大深谷は全国出場をかけて、6月19日に昌平との決勝に挑む。
(文・写真=多田哲平)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
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