準決勝では市立船橋を相手にMF木村颯真らが鋭く仕掛けた(写真=多田哲平)
結局、市立船橋はその後の決勝で日体大柏を破り全国出場を決めるのだが、そんな相手に対して鋭い攻撃を垣間見せたのは、小さくない収穫だった。
新チーム立ち上げから約3か月の間、市立船橋との一戦を含めた真剣勝負の一つひとつが糧になっているのは確かだ。総体予選では、1次トーナメント2回戦で市原中央に1-0、ブロック決勝で柏井に1-0。決勝トーナメント1回戦で東海大望洋に2-0、準々決勝で東京学館浦安に1-0と接戦を競り勝ってきた。
「リーグ戦はもちろん4月から始まっていますが、関東大会と総体とカップ戦を2つ経験できて、一戦一戦チームとしてすごく成長している感じがあるんですよ。なので今回すごく悔しいですけど、反省点をしっかり修正して、来週から始まるリーグ戦、そして夏休みを経てまた選手権の予選があるので、なんとかまたひと皮剥けていきたいなと思います」
そう金子監督は成長を実感している。また準決勝に進出した5月末の関東大会では「まだ模索中」だと言っていたスタイルも着実に形になり始めている。
「ビルドアップは馴染んできて、あとはミドルゾーンからアタッキングゾーンに入った時に少しずつイメージを共有できる部分が増えてきた。普段の練習中とか、この前の学浦(東京学館浦安)戦だったり、(東海大)望洋戦だったり、そういった再現性のある良い攻撃が出てきたので、あとはその精度を高めていきたい。あと選手権になると、その攻撃に対して相手も対策を立ててきますから、それに対して、プラスアルファが何が必要かを模索しながらやっていかなくちゃ勝てないのかなと」
金子監督はそう言って前を向く。ポゼッションのクオリティアップ、そしてプラスアルファを求めて、習志野の挑戦は続く。
(文・写真=多田哲平)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
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