選手の成長とともに、自身のレベルアップにも喜びを感じている(写真=河野正)
7月17日に市立浦和と対戦した埼玉県3rdチャレンジリーグでは、キックオフ前に細かい指示を出しただけで、試合中はほとんど戦況を見つめるだけだった。「いい準備をし、やるべきことを日頃からやっておけば試合中に修正できます。こちらがなんでも決めてしまうより、選手に考えさせ判断させるほうが、子どもたちの成長につながる。指示しないと何もできない選手になってしまいますからね」と指導者としての信条を述べた。
狭山ヶ丘での当面の目標は、チームにとって悲願のインターハイか全国高校選手権に出場することだ。金沢さんはこれに加え、「BチームやAチームに昇格できる選手をたくさん育てていきたい。子どもたちにも成長してもらいたいが、今は私が一番成長していると思っています」と高校生と触れ合うことで、指導者としてレベルアップできることに喜びを感じていた。
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金沢さんは武南では得点力の高い左MFとして1年生から活躍し、第90回全国高校選手権で4強入り。国士舘大でも1年生からレギュラーとなり、関東大学リーグを3度、全日本大学選手権を2度制した。1999年にJリーグの磐田に加入。通算8年半の在籍中、ステージ優勝が4度で年間王者には2度就いた。
FC東京でも6年半プレーし、04年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)ではチームの初タイトル獲得に貢献。14年に群馬に移籍し、同年限りでプロ選手としてのキャリアを終えた。J1通算222試合に出場し6得点。サイドバックや攻撃的MF、ボランチなど複数のポジションをこなす万能選手だった。
(文・写真=河野正)