関東一を率いる小野貴裕監督(写真=多田哲平)
薄氷の勝利だった。トーナメント戦はやはり恐ろしい。関東一の選手やスタッフは改めてそう感じたはずだ。
関東一は10月15日、第101回全国高校サッカー選手権東京予選の2次予選Bブロック3回戦で武蔵をPK戦の末に下した。苦しみながらも初戦を突破し、準々決勝進出を決めた。
昨年度まで2年連続で全国大会に出場し、昨冬は全国ベスト4。さらに今夏のインターハイでも全国切符を手にしていた。しかし、そんなチームがいきなり土俵際まで追い詰められた。先制点を献上したうえに、DF鹿子島尚人(2年)のゴールで同点にしてからも相手の堅守に阻まれ追加点を生むことができなかった。延長戦でもリードを奪えず、PK戦をなんとか5-3で勝ち切った。
小野貴裕監督は試合後、安堵の表情で振り返り、相手チームを称える。
「率直に相手が素晴らしかった。武蔵高校は毎年丁寧に戦ってくるチームなので、戦前から大崩れしないと分かっていました。今年もコレクティブで攻守のバランスがしっかり取れた良いチームなのは間違いないだろうと。雰囲気で飲み込まれてくれればと期待しましたが、やはりそうはならなかったです。
そして武蔵高校はここまで2試合をやれていて、うちが初めてのゲームだったので、そこに関してやりづらさが出るかもしれないと思っていたのもあります。ただ、そういうことをひっくるめても、純粋に武蔵高校の一つひとつのプレーには気持ちが入っていましたし、守るだけじゃなくて攻撃にも出てきた。我々の頑張り以上のものを彼らは出してきていた。決してこちらの頑張りが足りなかったという言い方はできないです」
▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選