成立学園のMF八木玲(写真=多田哲平)

 飄々としたキャラクターの内には、燃え上がる情熱がある。

 成立学園は10月16日、第101回全国高校サッカー選手権東京予選の2次予選Bブロック3回戦で桐朋を2-0で下して、準々決勝進出を決めた。

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 勝利したとはいえ、キャプテンで10番のMF八木玲(3年)の表情は浮かない。「早めに先制点が取れて、そこから流れに乗れれば良かったんですけど、上手くいかなかった。後半は少し改善でしたけど、ゴール前の質はもっと高めないと、次は苦しい試合になる」と反省を述べる。

 自身のパフォーマンスについても「やっぱり高校最後の大会ということで、少し固くなってしまった」と話す。しかし、それでも一つひとつのプレーに実力の高さをうかがわせた。

 主戦場である4-1-4-1システムのアンカーで出場して攻守に貢献。セカンドボールをサラリと拾えば、ヒラリと相手をかわし、丁寧なパスで攻撃の起点となった。なによりチームのバランスを取りながら的確なポジションを取り続けるセンスと視野の広さは見事。ド真ん中でチームを機能させる姿は、まさに”心臓”だ。

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▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選