もともとはアタッカーで攻撃センスが光る(写真=多田哲平)

 初めは戸惑いもあったという。それでもプレミアリーグEASTという年代最高峰の舞台で揉まれ、またインターハイでの日本一を経験し、イロハを身につけてきた。スピードを活かした攻撃センスはもちろん光るが、その使い方も磨かれている。

【マッチレポート】前橋育英 vs 常磐

 「最初は分からなくてミスが多かったけど、最近は上がるタイミングだったり、背後へのクロスもだんだん良くなってきているなという感覚はありますね。1対1は得意で、守備面でも結構自信を持ってやれていますし、自分が上がった時にはチームメイトにカバーしてもらい、逆に自分が味方のカバーに入ったりとか、チーム内で意識し合えています」

 特に引いて守ってくる相手が多い県予選では、攻撃の厚みをもたらす井上のオーバーラップがいつも以上に勝利へのキーポイントとなるはず。

 「相手のDFが5枚だったりした時は、横のパステンポを速くして、サイドハーフに入った時に内側や縦にランニングすれば絶対にどこかが空く。そのまま自分が受けてクロスを上げてもいいし、自分が囮になることでも走った意味があるかなと。自分だけじゃなくて周りを活かすランニングを増やしていきたいなと思います」

 そう崩しのイメージを語る井上。そして自分に求める最大の仕事は、やはりゴールに絡むことだ。

 「プレミアではゴールやアシストがあまり取れていなくて、この選手権では自分のクロスでアシストしたり、点を取ったりを意識してやっていきたいです」

 スピード感あふれる攻撃型SBがタイガー軍団を全国へと導く。前橋育英の右サイドに注目だ。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権群馬予選
第101回全国高校サッカー選手権群馬予選