ビッグセーブを連発して東山を初の4強に導いた(写真＝多田哲平)

　佐藤は「PK戦は運じゃなくて実力。ずっと練習してきたことを出すことと、ベスト8で青森山田に敗れた去年の経験があるからこそ、落ち着いてやることができた」と振り返る。

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　PK戦に臨むうえで重要なのがメンタルコントロール。選手権という大舞台で、しかも国立切符がかかる一戦とあって、平常心でいるのは困難だろう。それでも殊勲の守護神は「この舞台では多少の緊張はあるけど、蹴る前の動作をルーティーン化することによって、落ち着いて受けられるようになる」と明かしている。

　そんな佐藤がリスペクトする選手が本田圭佑だという。「プレーはフィールドとキーパーで違うけど、あの方は自分の考え方を持っていて、どんな状況でもメンタルがブレない。その尊敬しているところが今回のPKに出せた」とこの元日本代表MFにならった精神力がPK戦に活かされたと話した。

　さらなる接戦が予想される大津(熊本)との準決勝でも、鋼のメンタルを持つ守護神の活躍は不可欠。「選手権に出ている以上は国立に行きたい気持ちは強かった。僕たちは日本一を目指してこの3年間ずっとやってきたので、まずは準決勝に照準を合わせて、この中2日でもっとチームでレベルアップしていきたいです」と佐藤は次戦を見据えた。

(文・写真＝多田哲平)