細部までこだわりが詰まった人工芝のグラウンド(写真=河野正)

 日本サッカー協会の練習施設、千葉市のJFA夢フィールドと同じ積水樹脂の良質な人工芝を採用し、維持・管理するための工夫を施した。「ピッチの下には水が溜まらないようにアスファルトを舗装し、雑草対策として防草シートも取り付けました」。雑草の芽や根が人工芝の層で生育するのを遮断するためだ。「ゴール裏のスペースを広くしたのは、アップの時に異なる箇所を使えば、人工芝を傷つけないからです」と内野監督は説明する。

 救急車が人工芝の上を通らずにグラウンドまで入れる搬入口も設けるなど、ピッチへの愛情が細部にまで注がれている。

 主将のGK前島拓実は「大勢の方々が関わってこれだけ立派なグラウンドが完成した。僕らはその気持ちをくみ取り、結果を出して恩返しするだけです」と感謝した。今までだと横っ跳びの練習には防具を付けていたそうだが、「もうどんなに跳んでも痛くも怖くもありません」と笑顔で話した。

 “こけら落とし”の公式戦で、前半5分に新グラウンドでの初ゴールを挙げたMF髙橋秀太は、「他の人工芝ピッチよりやりやすく、パスがずれることもない。感謝の気持ちは関東、インターハイ、選手権の予選で結果を残すことです」と名門復興への意気込みを示した。

 昨春、東京の関東一高から転籍した仲村浩信コーチの発案で、新グラウンドでの練習後にはうどんやそば、炊き込みご飯の捕食も始めた。

【次のページ】 名門・武南の復興への新拠点!「BUNANフットボールフィールド」の全貌(3)