武南を率いる内野慎一郎監督(写真=多田哲平)

 その平常心を意識したアプローチが選手たちの判断力の向上につながっている。「今年はもともと喋る選手が多くてゲーム中に解決する力に長けている」というが、その自己解決力を引き出しているのが、内野監督の指導方針なのである。

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 「判断力は普段の練習で養っていますね。『きょうはドリブルシュート、きょうはディフェンス』と分けて考えず、1つのトレーニングの中に攻撃も守備も交ぜるのが今のテーマです。シュートを打つことと、そのあとすぐに戻ることを一緒に追求する感じで。そうすると攻守の切り替えが早くなって強度も生まれる。そして、なにより応用力と判断力が身につく」

 選手の判断に委ねているからこそ、特定のスタイルに縛ることはしない。「パス回しとかポゼッションにこだわらず、いろんな形ができるように判断力を身につける。このチームが発足してから、そこはめちゃくちゃこだわって時間をかけてやってきた」という。

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▽令和5年度関東高校サッカー大会埼玉予選
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