武南は決勝で埼玉平成を延長戦の末に破った(写真=多田哲平)

 関東大会予選の決勝では前半はスムーズにボールが回らず1点のビハインドを負った状態を受けて、ハーフタイムに選手たちが話し合い、また内野監督がメンバー変更や配置転換を施したことで徐々にリズムを掴んで逆転勝利につなげている。

 1年半前から本格的に始めたフィジカルトレーニングの成果も出始めているようで、延長戦に入って埼玉平成の選手が続々と足をつるなかで、武南にはピッチに座り込む選手はほとんど現れなかった。

 それでも内野監督は「全然まだまだ」と手厳しい。見据えるのはあくまで全国の舞台だからだ。全国選手権14回の出場を誇りながらも、近年は昌平西武台の後塵を拝し、2006年を最後にその檜舞台に辿り着けていない。関東大会予選にはプレミアリーグ、プリンスリーグ勢の昌平と西武台は出場していないが、その2校から覇権を奪還するために要求レベルは落とさない。

 県内での2つのタイトルも関東大会もすべてはインターハイと選手権で躍進するための過程だという。内野監督は「関東大会は良い経験になる。埼玉県代表として頑張りますけど、いろんな選手を使ったりしたい。今後に向けてインターハイ、選手権につなげるために一生懸命戦います」とさらなる成長を期した。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度関東高校サッカー大会埼玉予選
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