千葉明徳ではプレースキックも担当(写真=多田哲平)

 もっともプレースタイルが変わっても、独特のテンポやボール捌きには、強烈な父親のエッセンスが感じられる。

 千葉明徳の吉岡英樹監督からは「彼の持ち味は相手を見て逆を取るところ。センスは本当にお父さん譲り。まだまだ足りないところはいっぱいありますけど、楽しみですね」と期待を寄せられている。

 そんな工藤が目指すのは、父親のようであり、そうではないプレーヤー。

 「お父さんみたいな選手になりたいという気持ちもある。でも、お父さんにないもの、自分らしさをもっと出していきたい。もっと1対1で誰にも負けない、ボールを取られないような選手に」

 理想のプレーヤー像に近づくためにも、この高校最後の年を全力で駆け抜けるつもり。関東大会出場はそのスタートに過ぎない。「笑って終われる1年にする」のが今年のテーマだ。

 ちなみに父の浩平氏が栃木シティFCで掲げている今シーズンの個人目標も「最後笑って終える」。なんとも親子らしい。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度関東高校サッカー大会千葉予選
令和5年度関東高校サッカー大会千葉予選