指揮官もベンチで勝利を分かち合う(写真=会田健司)

 大阪府1部リーグでも決して順調なスタートではなかった今年の関大一。しかし元々ボランチの中谷優冴(3年)と鴨川光輝(3年)をCBにコンバートしたところからチームは好転。「今大会はだいぶ乗っていてDFの中心です。後半に足を攣った時はどうしようかと思いました(笑)」と指揮官が話すほどに中谷はDFの中心として替えが効かない選手となり、足元の技術がある鴨川によって最終ラインからのビルドアップも安定した。 

 芝中信雄前監督から引き継ぎ4年目を迎えた緒方監督。"月まで走れ"のイメージが残る中で、「僕らが現役の時の1/3も走っていないと思います(笑)」とGPSを使いデータを活用し、自分たちが走るよりも相手を走らせるサッカーに変化してきた。

 「試合中は言い過ぎて僕が一人で熱くなっていますが、本当は言わなくてもやれると思います」と選手たちを信頼している指揮官。

 「大阪は強豪校が多いのでこれは出来過ぎかなと思います。いい年ではあると思っていましたが、ここまで出来るとは思っていませんでした。キャプテンFW今西佑の背中で引っ張るリーダーシップと、ムードメーカーの西田が声を掛けてチームの雰囲気を良くしてくれたおかげ」とチームを引っ張る今西と西田詩(3年)に感謝した。

 そして「ちょっとでも上に。でも謙虚さとひた向きさでしっかり相手より走って、夏なので相手より走れば勝機は見える」とFW百田真登(関西大4年)やMF堤奏一郎(関西大4年)を擁し大阪予選を勝ち抜いた2019年以来の全国大会を見据えた。

 (文・写真=会田健司)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
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