明秀日立は2強を破ってベスト8進出を果たした(写真=多田哲平)
明秀日立(茨城)の快進撃が止まらない。
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)、1回戦でプレミアリーグWEST首位の静岡学園(静岡)を破ると、2回戦で関大一(大阪)との我慢比べを2-0で制し、3回戦ではプレミアリーグEAST首位の青森山田(青森)までなぎ倒した。
今季の高校サッカーのいわばビッグ2を打ち破っての準々決勝進出はインパクト特大。青森山田戦後に「きょう勝ったら『台風の目』と書いてもらえるかなと思っていた」と萬場努監督は笑ったが、もはや台風の目どころか今大会の最注目校と言ってもいいくらいである。
この躍進はフロックではない。その強さは本物だ。互いに力強さを売りにする”肉弾戦”が見込まれた青森山田戦では、1対1ではさすがに劣ると見るや、2人目、3人目の囲い込みの早さで対抗し、また選手が自発的に足もとでつないだほうがいいと判断して、相手のプレスを掻い潜る技術の高さも見せた。なにより押し込まれてもチーム一丸でゴール前を固め、後半アディショナルタイムに1本のロングパスからFW根岸隼(3年)の決勝ゴールにつなげた勝負強さはお見事と言う他ない。
その強さの根源は、自己理解にある。
1月に茨城県の新人戦で優勝を果たしたものの、故障者が続出して4月の関東大会予選は2回戦で敗退を喫した。そのタイミングで萬場監督は、5月末から始まるインターハイ予選に向けて2週間、内省の時間を作ったという。
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