
現在は子どもたちの指導に励む(写真=河野正)
そんな折、親戚に勧められたCMのオーディションに合格。トヨタ自動車のカローラⅡ出演で芸能界入りすると、「電磁戦隊メガレンジャー」や「私の青空」などテレビドラマにも出演した。舞台や映画、胃腸薬のキャベ2コーワなどCMにも多数出たが、ずっと違和感を引きずっていた。「今までの生き方と違ってつまらなかった。うまくなりたくて自主練習した情熱を、この世界では燃やせないと感じたんです」と説明し、6年間の俳優業に終止符を打った。
埼玉の少年団などでコーチをしていた折、小中学校の同級生・長岡修が2008年に川口市を拠点にしたクラブチーム、アヴェントゥーラ川口を創設。まずJリーグ参入を目指すトップチームを結成し、続いてジュニアユースとジュニアの順に立ち上げた。現在関東リーグ2部に所属するトップチームは、一昨年の天皇杯に初出場している。
創設時から関わる江原はジュニアを7年担当した後、ジュニアユースを受け持って今季で7年目。高校選手権のアイドルは、いったいどんな指導をしているのか。
「止める蹴るというのは、プロ選手でも一生をかけて追求するもの。この考えを落とし込み、どんなボールが来てもどういう状況でも、次のプレーに移れるよう正しく止められるか、味方に正確なパスを渡せるか。この基本を楽しく辛抱強く、ずっとやっているだけです」
練習メニューも原理、原則に沿ったベーシックなものばかりで、試合では驚くほど複雑怪奇な場面など起こり得ないからだという。