第1回日本フートボール優勝大会が開催された豊中グラウンド(写真提供=豊中市都市活力部スポーツ振興課)

 8月23日、第105回全国高校野球選手権記念大会決勝が兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、慶應義塾(神奈川)が仙台育英(宮城)を8-2で下し、1916年以来107年ぶりの優勝を決めた。

 慶應義塾が初優勝を飾った「第2回全国中等学校優勝野球大会」は1916(大正5)年8月に大阪の豊中グラウンドで開かれた。当時は、第1次世界大戦の最中。日本ではこの年、吉野作造が論文「憲政の本義を説いて其有終の美を済すの途を論ず」を『中央公論』に発表。「民本主義」という言葉を使い、「デモクラシー」の必要性を説いたとされる。

 慶応義塾が初優勝を果たした1916年から間もなく、サッカー界では1918年1月に大阪毎日新聞社が主催で全国高等学校サッカー選手権大会の前身となる「第1回日本フートボール優勝大会」が同じく豊中グラウンドで行われ、御影師範学校が初代王者に輝いた。その後、御影師範学校は第7回大会まで7連覇を達成。同校は大会通算11回の優勝を誇り、いまだにこの記録は破られていない。

 慶應義塾の歴史的な優勝で幕を閉じた高校野球の一大イベント''夏の甲子園''は閉幕。そして、高校サッカー界では今年の12月28日に首都圏で開幕する冬の風物詩、全国選手権の出場をかけ、今月末から来月頭にかけて多くの地区で地方予選がスタートする予定だ。