とはいえ、特に前半立ち上がりの八千代の攻撃は怖かった。押し気味に試合が進むと、当然、シュートの回数は自然と多くなる一方で、肝心のシュートは枠外や難なくGKキャッチのパターンがある。しかし八千代はそのどれもがシリアスな鋭さと精度の高さを感じた。八千代の見事なフリーキックで先制されたものの、大崩れせず、凌げたことは拓大紅陵の追い風となり、逆転劇の始まりとなった。
「0-1になりましたが、ヤバいなとはあまり思いませんでした。(失点は)キッカーのキック力とフィードがよかったので、しょうがなかったなと感じました。でもそのあと選手たちが冷静に焦れずにプレーできて素晴らしかった(嘉藤監督)」
その通りとなった。苦しい展開のなか、前半、数少ないカウンターのチャンスはまたとないPKとなった。「自信に満ち溢れていた」とDF4中村海は蹴りこんだ。そして「何も考えず、シュートを打ちました」と終了間際、カウンターからの流れから仕留めたMF7飯野聖士。実は1点目のPKを誘発させたのがMF7飯野。「PKになったところから、その流れで得点が取れたのが良かったです」と誇らしかった。
▽第102回全国高校サッカー選手権千葉予選
第102回全国高校サッカー選手権千葉予選